てんかん治療におけるゾニサミドの血中濃度
昨日、セミナーにご参加いただいた方はありがとうございました。
それなりに質問もいただいて盛り上がったように感じましたし
それ以前に、お申し込み時の質問が多すぎて
なんだか皆様からの期待度が現れていたのかな、と勝手に良い風に解釈しておりました。
また、後日、福間先生がアーカイブをあげてくださると思うので
ご参加できなかった方の中で、ご興味のある方はもう少しお待ちいただければと思います。
youtubeの登録者数もこの一ヶ月でちょうど100人増えてくれているので
なんかこのまま続ければ、今年中に1000人とか越すのかなあ、と考えていたり
規模感が増えたら、何かまた違う取り組みとかもできそうですよね。
そんな感じで、昨日は22時過ぎぐらいでしたかね、セミナーが終わりまして
今後どうしようか、という流れを2人で話していたら
なんかよくわからないノリで
そのまま、てんかんについての新しいセミナーを2人で聴くことになりました。
てんかん発作、てんかん、痙攣発作などの用語の整理から
フェノバルビタール、ゾニサミド、臭化カリウム、レベチラセタム、イメピトイン、ガバペンチンなどの薬の
作用、副作用についてなど
ある程度、網羅的に話されている内容でした。
二倍速で、結局1時間ちょっと聴いていたので、もともとは二時間ちょっとのセミナーだったんですかね。
最後の方は体力的にかなりキツかったですが
あまり使用経験のないイメピトインのお話だったり
レベチラセタムの注射薬の細かな使い方のコツや、レベチラセタムのパルス療法だったり
色々と新しい知識も増えたように思います。
やっぱ、あらゆる分野の全ての最新情報にアップデートし続けるのって
結構厳しいですよね。。。
その中で、こちらの論文のお話も出てきました。

207例の非構造性てんかんの犬さんに対するゾニサミドの効果をを調べた研究であります。
てんかんの治療において、ゾニサミドを使用する際には
治療を開始してから、定常状態になった頃合いに血液検査を実施し
ゾニサミドの血中濃度を測定し
今の投与量で、どのくらいの血中濃度を維持できるのか、というのを確認します。
通常は、トラフ値といいまして、1日の中で1番血中濃度が下がるタイミングに採血を実施し測定します。
つまりは、投薬直前に測定する、という感じですね。
そのトラフを確認し、有効血中濃度に達しているか、もそうですし
まだ薬を増量する余裕があるのかどうか、とかも同時に確認できるわけですね。
この論文的には
今までは10-40μg/mlだったのが
10-55μg/mlに引き上げても良いんじゃないか、みたいなお話でした。
もともと10-40という範囲を設定しているのも
人の基準値をそのまま外挿したものが用いられていたみたいで
今回改めて、ある程度の頭数を集めて
ゾニサミドの治療に反応した群の血中濃度を測定したら
10-55という範囲が適当なんじゃないか、という話になったみたいです。
ただ、これは別に
測定して血中濃度が低かったら、もっと積極的に増量しましょう、とかそういう話ではなく
基本的にてんかん治療においての用量の設定は
治療目標を達成する最低の投与量で十分かと思いますので
例えば血中濃度が12μg/mlしかなくても、その子のてんかん発作が抑えられているのであれば
その薬の用量で十分だという話になります。
なので、今回の研究では
40−55の範囲でも、明らかな副作用がなく
てんかん発作を良好にコントロールできているのであれば
その投与量で継続することもできるんじゃないかな、という新たな提案みたいな報告だと思います。
ゾニサミドで治療されているてんかんの子たちは参考にされても良いのではないかと思います。
あとは、無治療のてんかんの子たちを観察した研究とかの話もありまして
すごく興味深いのが
てんかん発作が起こる頻度は、本当にばらつきがひどいという点ですかね。
最初、一ヶ月ごとに三回、四回と発作が起きていたと思ったら
その後パタリとてんかん発作が起こらなくなり、結局なくなるまで一度も発生することもなかった子とかもいれば
定期的に一ヶ月に一度のペースで発生する子もいたり。。。
最初、月に二、三回とか続いてて、てんかんに対する薬剤をスタートしたら
パタリと発作が止みました、ってなれば
普通なら薬が効いていそう、とか考えてしまいそうなところですが
もしかしたら薬を飲まなくても、発作が起きていなかった可能性もあるということになりますよね。
なので、実際に薬が本当に効いているのかどうなのかの証明というのは難しいのかもしれません。
ただ、一方で
三ヶ月に二回以上のてんかん発作が起きている子たちは
それ以下の発作頻度の子たちと比較した時に
明らかに生存期間が短くなるということがわかっているので
発作がいつ起こるかわからないなら、無治療で良いやん、とか
そういう話ではありません。
てんかん発作というものを放置すると、寿命が短くなる可能性が高いというのは
過去の研究でもわかっておりますので
今現在のてんかんに対する治療基準を満たす症例に関しましては
基本的に治療介入してあげるのが、その子のためではないかと思います。
そんなわけで、今日はてんかんに対するゾニサミドのちょっとしたお話でした。
神経内科もきちんと勉強しないといけないですね。
それでは。