SFTS感染症について
インスタグラムの方でも書きましたが
先日、静岡市内でSFTS感染症による一人の女性が亡くなったとの報道がありました。
今月、三重県でも猫さんの診察をした獣医さんが亡くなるというニュースもあったりで
マダニ媒介の感染症であるSFTSが各種メディアでも取り上げられているみたいです。
そんなこともあって
昨日の夕方にNHK静岡の方からお電話があり
今日の夕方の放送でSFTSのことについて取り上げたいので
取材させていただけないですか、というお話でした。
で、今日の午前中に担当の方々が病院にいらしてました。
ご協力いただいた患者様方ありがとうございました。
せっかくなんでブログでも少し触れておこうと思います。
SFTSは冷静に考えると
やっぱりそれなりに恐ろしい感染症だと思います。
基本的にマダニを介した感染症となるため
人間は、マダニに直接刺されるか
SFTSウイルスに感染した動物と接触するかによって感染してしまいます。
上記の報道の女性はおそらく直接マダニに刺されたのだと思いますし
三重県の獣医さんはSFTSに罹患した猫さんから感染した可能性が高いみたいです。
野良猫さんの保護活動みたいなことをされていたりしない限りは
マダニに刺される猫さんと接触する機会のある人はほとんどいないと思いますので
猫さん経由での感染はそれほど恐れることはないのかと。
地域猫の世話をされている方や保護猫活動をされている方はご注意ください。
わんちゃんと一緒に生活されている方で
お散歩などでお外に一緒に出かける方に関しては
わんちゃんのマダニ予防をされた方が良いのかなと思います。
正直なところ、静岡市で働くようになって
マダニをつけてきたわんちゃんの診察機会はものすごく増えました。
地域的な温暖な気候とかが関係しているのか
自然が多いところが関係しているのかわかりませんが
年に数頭は診察機会があるような気がします。
ただ、今年に限って言えば
まだ一件も診察していないような気もしますので
マダニの予防薬の普及率が地味に上昇していたりして
一定の効果が出ているのかもしれません。
当院の場合ですと
フィラリア予防と同時にノミ・マダニの駆虫も一緒にできる
オールインワンタイプのお薬を選択されるご家族様がほとんどですので
マダニの予防率はそれなりに高いんじゃないかと思っています。
動物医療関係者は一般の方々と比較して
SFTSウイルスに曝される機会がどうしても高くなってしまう業種ではありますので
皆様がマダニ予防をしていただくことが
わんちゃんやご家族の命を守るだけでなく
動物病院のスタッフの命を守ることにも繋がっています。
そういう意味では予防意識の高い患者様が多いことは本当にありがたいなと思います。
野良猫さんの診察機会・手術機会が極端に少ないことも
地味に当院の特徴の一つなのかもしれません。
動物愛護精神的にどうなんだ、という話ではありますが
スタッフの命を守るという点では
結果的に良かったのかもしれません。
それでも発症するとかなり高い致死率ではある感染症になりますので
動物病院内での対応は今後も気をつけたいですし
わんちゃんのマダニ予防に関しての啓発も続けていきたいと思います。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。