つぶやき
肺高血圧症からの肺浸潤だったんだなという話
今日嬉しかったこと。
ずっと治療していたわんちゃんの肺野が綺麗になってきたこと。

右側が二日前。
左側が今日です。
この子は僧帽弁閉鎖不全症が元々あって
そこから2群の肺高血圧症(PH)みたいな感じになって
最近は、呼吸症状を呈することが多くなっておりました。
左心不全からくる肺水腫症状なのか
PHからくる配信順なのか
どっちなんだろうと、色々と考え
なんとなく肺浸潤の可能性がありそうなんやけど、と
循環器認定医の後輩にも相談。
2群のPH症例に安易にシルデナフィルなどの肺動脈拡張を引き起こす薬剤を使用すると
左心に戻ってくる血液量が増え、左心不全症状が悪化してしまう可能性があります。
ただ、PHからの肺浸潤がメインの症状なのであれば
肺動脈圧を下げてあげる方が良いのでは?という
そこの議論になりました。
最終的に
病院で預かった状況で、シルデナフィルを低用量から試験的に投与。
明らかな悪化というよりはむしろ臨床症状が改善しているようにも見えたため
投与を継続。
結果、肺野は綺麗になってきました。
こういう書籍とかには書いてないような
経験則がモノを言うような治療って本当に難しいですね。
それでも、結果的に上手くいってくれて良かったです。
愚痴ばっか書いていると仕事してないみたいなので
一応、毎日それなりに真剣に診療しているんだよ、という感じで
今日嬉しかったことを書いてみました。
やっぱブログに書くなら
学術的な情報だったり、実際の症例の詳細だったり
そういうのが建設的ですごく良いですね。
読んでくださる方の役に立つかは分かりませんが
書いているだけで僕自身の勉強にもなってくれます。
こういう感じで今後も続けて行けたらなと思います。
それでは今日はこの辺で。