尿細管障害の検出に尿中シスタチンBという検査
昨年の10月に
IDEXXさんから尿中シスタチンBという新しい検査項目がリリースされました。
IDEXXさんの説明では
『この検査の特長として
急性または活動性の腎障害で上昇するため
SDMAとかクレアチニンなどの他の腎機能マーカーの変化を伴わない症例でも
臨床兆候の有無に関わらず、尿細管障害を検出することが可能です』
とのこと。
また、この尿中シスタチンBについての論文も
一昨年の終わり頃にでておりまして↓

犬さんだけの報告にはなりますが
慢性腎臓病のステージ1の症例に対して尿中シスタチンBを調べてみたところ
健常な子や安定しているCKDの群と比較して
進行型のCKDの群では、数値が有意に高かったとのこと。
簡単に言うと、犬さんの慢性腎臓病の予後指標の一つとして使用できるわけですね。

上の論文から抜粋したこの図ですが
一番右が進行型の慢性腎臓病の群です。
一部はオーバーラップしている症例も見受けられますが
明らかに進行型のCKDで数値が高いことがわかります。
これだけでも有用な検査ツールかもしれません。
ですが、半年前にリリースされた検査であるものの
まだ僕自身利用したことがなくて。
というのも、費用が大体患者様価格で5000円から6000円かかるという点と
検体を出してから検査結果が出るまでに数日必要という点と
異常値を検出した後の具体的な対応の変化だったりが見えないという点があって
もうちょっと情報があれば利用してみたいなあって感じで
様子を見ておりました。
そんな中で
今日の朝から尿中シスタチンB発売記念セミナー的なものの配信が始まりまして
それを朝と昼に分けて、聴いておりました。
もちろん企業関連のセミナーなので
多少、忖度のある感じなのかもしれないですけど
それでも使いどころによっては有用なものとして利用できそうな検査ツール。
少しずつ利用してみようかなと思っているので
今日はシスタチンBってなんぞや?的なところから書こうと思ってたんですけど
思ったりここまでで長くなっちゃったんで
明日に回したいと思います。
すみません。
なので、明日も覚えてたら尿中シスタチンBネタでいこうと思います。
それでは。