腎臓病のセカンドオピニオン
今日、嬉しかったこと。
この前の日曜日に腎臓病のセカンドオピニオンとして来院された猫さん。
その子が少し良くなったこと。
5月19日に血尿と嘔吐があり
5月22日に動物病院を来院されました。
血液検査と腹部のエコー検査を実施され
腎臓の形が悪いと言われたけど、今後の治療についての話などがなく
ただ食欲増進剤のミルタザピンを処方され
食欲がなかったら点滴をしましょう、とだけ言われたそうです。
その時の血液検査結果がこちら↓

結構、腎臓の数値が高いです。
で、食欲も低下してきてしまったし
今後の相談もしたいとのことで6月1日に当院に来院されました。
その日の当院での血液検査の結果がこちら↓

BUNは140overで、Creは15.17mg/dlと
5月22日の時よりも上昇しています。
腹部超音波検査にて
左の腎臓が腫大、腎盂が大きく拡張し
左の尿管の閉塞病変を疑いました。
ただ、完全閉塞しているのかが微妙だったことや
排尿はそれなりに認めること
症状の発現から10日以上時間が経過してしまっていることなどから
外科的な介入ではなく、内科的な治療を試みることとしました。
正直、時間がかなり経過していましたし
最初の時よりも腎臓の数値が上昇してきていたので
厳しいかもなあ、という気持ちの方が強かったように思います。
祈るような気持ちで、できる治療を実施してみました。
で、本日再診。
前回の来院後二日間ぐらいはぐったりしてたそうですが
そこからなんとなく良くなってきたような感じがする、とのことでした。
確かに、エコー上
左の腎臓の腎盂の拡張はかなり改善されており
血液検査上もこんな感じ↓

いや、まだ高いですよ。高いんですけど
クレアチニンだけで比較したら
5月22日 10.7mg/dl
6月1日 15.17mg/dl
6月5日 6.49mg/dl
って感じなんで、明らかな改善を認めています。
尿量も明らかに増えたそうですし
毛繕いなんかもできるようになってきたとのことでした。
まだ全然安心はできないとは思いますけど
このままの調子でいけば、もっと良くなっていくんじゃないかって今は考えています。
この猫さんは市外からわざわざ来てくださっておりまして
片道1時間かもうちょっとかかるのかな、と思うんです。
今日の手術も富士宮市の方でしたし
最近は県外から患者様が来ていただくこともあったりしたので
あんまり驚くことはなくなってきましたが
それでも、遠くからわざわざ来ていただいていることは
すごくありがたいなと思っています。
近くの人に対しても基本的には同じスタンスではありますが
それでも
せっかく来ていただいているんだからって気持ちは少し出てきますし
自分ができる限りのことをしてあげたいなって思います。
このままなんとか病態が快方に向かえば良いなあ、と思っていますが
とりあえず、今日の時点で少し良くなったことに対して
僕は心の中で小さなガッツポーズをしましたよ、という
そんなお話でした。
おしまい。
その節はご対応いただきありがとうございました。
ブログを拝見し、先生の動物に対する熱意に賭け、藁にもすがる思いで当院へ受診しました。初診はどんな医師なのか、どんな対応をされるのか等ハードルが高いものですが、受付での対応も良く、診察での現況説明や今後の対応もわかりやく丁寧に解説していただきました。その中でもいちばん強く感じた事は、先生の何とか命を助けてあげたいという情熱、当院の理念である「あきらめない動物医療」に掲げている通りの対応をしていただき、少し諦めかけていましたが希望をもらい、僅かな確率を信じて治療にあたり、命を助けてもらう事ができ、先生には感謝しかありません。
まだ治療は終わっていませんが、今は家の中で走ることができるまで回復しています。
たいへんな日々を過ごしているとは存じますが、スタッフ・医師の方々も含めこんなにも素晴らしい動物病院があることを知れて本当に良かったです。
数値が落ち着いたら先生と大きなガッツポーズをしたいですね。 また後日に
>山下様
ブログにコメントいただきありがとうございます。
個人的に、日曜日に初めて診察に来ていただいてから、次の木曜日の診察まで
どうなったかなあとすごく気になっていたこともあって
良さそうな結果を受けて、あまりにも嬉しかったもので
ついブログの方に書いてしまいました。ほんとすみません。
こういった嬉しいお言葉をいただくことが僕らの仕事へのモチベーションにもなっておりますので
本当にありがとうございます。
引き続き、経過の方しっかりと診させていただければと思います。