PEマッスルブースター
うちの動物病院は
基本的に整形外科の手術を実施することはないので
基本的に紹介させていただく形をとっているのですが
そのせいもあってか
あんまり運動器疾患に対する情報をやや避けがちになっているようにも思うので
今日はそこら辺の分野から。
前回の獣医麻酔外科学会の中の講演の要約をさっき読みました。
テーマは
『運動器疾患の新しい治療戦略』というもので
その中でPEマッスルブースターというサプリメントが紹介されておりました。

PEマッスルブースターは
主要成分がHMB、クレアチン、エラスチンとなっており
アミノ酸の一つであるロイシンから体内で合成されるのがHMBで
筋肉の合成促進と分解抑制の効果があるとされています。
クレアチンも筋肉の栄養剤的な感じのものですし
エラスチンは腱とか靭帯とかの健康維持に寄与してくれるとされています。
筋肉量の維持や運動と合わせて筋肉量の増加効果を得られるのであれば
運動器疾患の内科的な管理だけでなく
シニア、ハイシニアの犬猫さんの健康維持にも一役買ってくれるんではないかと。
サルコペニアは人間の方でもテーマに挙げられることが多いですが
動物医療においても老齢期における筋肉の喪失をいかに防ぐかは
これからの重要なテーマだと思います。
そういう時に補助的な感じで使用してあげれば
筋肉量の維持と同時に認知症の予防などにもつながるのではないかなと思います。
あとは
どうしても持病の治療のためにステロイドの服用を長期的に続けないといけない子や
クッシング症候群を罹患している犬さんに関しても
ステロイド筋症の予防や状態改善を図る目的で使用しても良いのではないかと思いました。
実際の症例に使われた感じを拝見する限り
なんとなく良さそうに思うので
当院でも取り扱ってみようかなと思います。
動物ナビにも取り扱いがあるので
ご興味のある方は、覗いてみてください。
注意点としては
腎臓病、心臓病のある子は使用をお控えください、という注意書きがあるので
そういう子は動物病院の先生と要相談かと思います。
ただ、慢性腎臓病においても、僧帽弁閉鎖不全症においても
体重減少というのが負の予後因子にはなっているので
体重を維持するのに一役買ってくれるのであれば、使用を考えても良い場面はあるのかなと
個人的には思います。
たぶんその病気のステージだったり、その子の状態によるとは思いますので
使うとしても慎重に使う感じですかね。
もし筋肉量が増えてくれるんだったら
ダイエットにも使えそうですよね。
考えていけば色々な使い道がありそうなサプリメントな気がします。
また何かあればここでもご紹介させていただきます。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。