メトクロプラミドの副作用
次の院内での勉強会のテーマが
消化器薬ということで
今現在、消化器薬についてまとめているところです。
今日はそんな中から
日常の診察の中で最も使うことの多い薬の一つである
メトクロプラミド(商品名はプリンペランとかボミットバスターですかね)の
副作用についてでも。
人の方で言われているメトクロプラミドの副作用には
・錐体外路症状
・アルドステロンの血中濃度上昇
・小腸で吸収される薬剤の血中濃度が上がってしまう
・女性化や乳汁分泌
なんかが挙げられるそうですが
犬猫さんにも認められることがあるものとしては
錐体外路症状が挙げられると思います。
メトクロプラミドは
血液脳関門を通過するドパミン受容体拮抗薬とされており
その影響により
ドパミンの抑制+アセチルコリン過剰のバランスが崩れてしまう結果
錐体外路症状が起こるとされています。
人の錐体外路症状には四つあるそうで
パーキンソン症候群(ふるえたり、歩きづらかったり)
ジスキネジア(口をもぐもぐしたり、動きが止まらなかったり)
アカシジア(足がムズムズしてじっとしていられなかったり)
ジストニア(首とか体が突っ張っちゃったり、曲がっちゃったり)
こんな感じみたいです。
筋肉の緊張や運動が亢進してしまったり
逆に筋緊張が低下したり、運動ができなくなってしまったり
それらの調節に関して上手くバランスが取れなくなるというイメージでしょうか。
人だと結構問題になっているみたいで
対処としては、ジフェンヒドラミンやミダゾラムを投与するそうです。
犬猫さんの場合だと
副作用の対処として薬剤投与が必要となるケースはほとんどないかと思われますが
認められることがある症状としては、行動異常が挙げられますね。
過度に興奮してしまったり
逆にチーンと沈鬱状態になってしまったり
そういった症状がメトクロプラミドの副作用として出てくることがあるとは思います。
ただ、基本的には
薬の投与を中止することで、副作用による症状は認められなくなることが一般的ですし
一度の投与で血中濃度がそんなに長く維持できる薬剤でもないため
そういった症状が認められた場合は
休薬すれば問題ないかと思われます。
副作用という今日のブログのタイトルではありますが
起こった時はそのように対応する形で問題ないことが多いと思いますし
一般的によく使用される薬剤ですし
当院でも毎日のように使用する薬剤の一つになっています。
上記のような副作用が起こらない子に関しては
消化管運動改善薬や嘔吐を止めてくれる制吐剤として
すごく使いやすい薬剤だと思いますし
注射薬も経口薬もあるので
便利な薬だと思います。
そんなわけで
今日はメトクロプラミドの副作用についての紹介でした。
それでは。