トリプルワーミー
トリプルワーミーってご存知でしょうか。
腎機能に悪影響を及ぼす薬の組み合わせである
レニン・アンギオテンシン系阻害薬(ACEiやARB)と
利尿剤と
非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)の
3剤を併用することを指し
三段攻撃とも言われるらしいです。

(滋賀医科大学 薬剤部様のホームページより抜粋)
人間の方では、上のようなポスターみたいなのも作られていたりで
結構問題になっているみたいなんですよね。
人って科が分かれているじゃないですか?
高血圧の治療なんかでARBを服用していた患者さんが
膝が痛かったり腰が痛かったりで整形外科を受診した時に
普通にロキソニンとか出されちゃったりすることで
急性腎障害(AKI)の危険に晒されちゃったりするみたいなんですね。
この事象は動物医療の現場でも
ちょくちょく起きてるんじゃないかなと思っておりまして
キドニークラッシャーの異名を持つ(僕らが勝手に呼んでるだけですが)
静岡市内の某動物病院の先生なんかは
ACEiとARBを併用したり
ARB飲んでいる子にメタカムを連投したりして
腎臓を壊しにかかってきますので要注意です。
僧帽弁閉鎖不全症の治療をされている犬さんなんかは
アピナックとかフォルテコールなんかのACEiと
フロセミドなんかの利尿剤を飲んでいる方も多いと思います。
そういう子が何かの拍子に足を痛めちゃった時なんかに
NSAIDsを使われちゃったりすると
腎臓が壊れちゃうわけです。
ゴールデンウィーク期間中は
いつもと違う動物病院さんを受診することがあるかもしれません。
ドッグランなどにお出かけした時に
急に足を痛めたりすることも少なくないと思います。
そういう時に、元々の治療で服用している薬がある子なんかは
動物病院を受診する際に
今飲んでいるお薬の内容をきちんと伝えていただく方が良いと思います。
ただの跛行で動物病院を受診しただけなのに
腎機能が急激に落ちてしまって
最悪の場合、命を落とすことにもなりかねない、なんて事態は
みんな避けたいと思います。
普段からお家の犬猫さんが服用している薬の内容は
ある程度把握されておいた方が良いとは思います。
普通にあんまり気にせず痛み止めとしてNSAIDsを打ってしまう獣医さんも
結構たくさんいる印象ではありますので、ご注意ください。
ご家族の方がそういった情報を知っておいていただくか否かで
犬猫さんの命を守ることにも繋がると思います。
今日はそんなお話でした。
明日から二日間お休みをいただきます。
ご迷惑をおかけし申し訳ございませんが
よろしくお願いいたします。
それでは。