急性下痢に対してフラジール
現在の獣医療においては
急性下痢に対する治療として
抗菌薬の使用はやめましょう、という考え方が当たり前になっているというのは
前々から何度も書いているので
ここを読んでくださっている方のほとんどはすでにご存知かもしれません。
実際、フラジールという商品名の抗菌薬
薬剤名としてはメトロニダゾールですね
それを処方する機会も、寄生虫疾患の時ぐらいで
最近は使用する機会が激減しました。
でも、本日最後の診察の
セカンドオピニオンいや、サードオピニオンか。
1週間前からの血便と嘔吐を主訴に
最初の病院での治療も次の病院での治療にも反応しないという形で
先ほど来院されました。
下痢に対して処方されていたのは
フラジールとトランサミン。
急性下痢に対して抗菌薬を使用しませんよ、という考えは
全然当たり前じゃなかったみたいです。
むしろまだ日常的に乱用されており
悪しき風習が跋扈しております。
あ、跋扈って書きたかっただけなので
蔓延っているでも良いかもしません。
抗菌薬の使用に対する世界的なガイドラインが発表されて
時間はそれなりに経過しているような気もしますが
なかなか世の中って変わらないみたいです。はい。
下痢に対して初っ端からフラジールを処方する獣医はヤバいよ、的な
そういう情報でも拡散させれば
何か変わるんでしょうか。
いや、僕にはそんな拡散させる力も
そういう動物病院の名前を公表する勇気もないわけで
ただのヘタレです。はい。
でも、先ほど引き合いに出した
今日の最後の診察に来てくださったお母様は
わんちゃんのことが心配で涙を流されておりました。
そういう姿を見ていると
許せないなって想いがどうしても湧いてきてしまいます。
いや、何様なんだよ、って言われると思いますし
実際誰やねん、って話ですが
それでもここでそういうことを書けば
何かが変わるかもな、って気持ちで書いてます。
フラジール乱用動物病院は危険だと思います。
それでは、今日はこの辺で。