延命治療
先日、2週間前ぐらいから食欲が低下しているという猫さんが来院され
検査の結果、腎臓のリンパ腫が疑わしいとなりました。
さらなる検査や化学療法のお話をしたところ
ご家族としては、『延命治療は望まない』とのことで
積極的な治療は希望されないような感じでした。
それに対してもっちーが
『生存期間を延ばすことと、延命治療はイコールではない』的なニュアンスの話を
ご家族にしてました。
勘違いされている方も多いかもしれないので
延命治療の意味的なものをwikipediaさんから引用させていただくと
『回復の見込みのない人に対する延命だけを目的とした医療行為』と書かれてあります。
なので、病態を改善させる可能性のある治療は延命治療に当たらないのではないかと思います。
この場合、抗がん剤治療を実施することで
一時的にでもリンパ腫の病態を寛解に持ち込める可能性も残されているわけなので
リンパ腫に対する化学療法・抗がん剤治療は
延命治療とは呼ばないのではないかと思います。
まあ、言葉の定義がどうとかって話ではなくて
これ以上積極的な治療は望みませんよ
という意味でおっしゃっていたのだとは思うので
それを延命治療と呼ぶとか呼ばないとか
そこが重要ではないとは思うのですが。
ですが
いくら予後が悪い疾患であったとしても
診断時点で生存期間を延ばす可能性のある治療の選択肢は
残されていることが多いです。
僕の経験上
その選択肢を選ばない方は
後々、結構後悔されるパターンが多いような気がしておりまして
個人的には
何となく動物たちが可哀想な気もしてきてしまいます。
考え方は人それぞれだとは思いますし
色んな人がいるのは頭ではわかっていても
治療対象となる子が目の前にいるのに治療できないのは
何となくもどかしい気がするもので。
動物病院側・獣医側の伝え方が原因の部分もあるとは思うので
説明の仕方・伝え方・ニュアンスなど色々と工夫をしないといけないわけですが
それでも
やっぱり根本的にそういうのを望まない方も一定数いらっしゃるとは思うので
こういうモヤモヤした気持ちを抱くのは
たぶん間違っているんだろうなあ、と思うんですが
正直になろうとすると
どうしてもそうなっちゃいますね。はい。
難しいです。
それでは。
いつもブログ楽しく見させていただいています(^^♪
今回のネコちゃんの飼い主さんは
多分「延命治療」というよりは「QOL」を大切にされているのではないかな?
って思いました。最後までその子らしく・・・
またその方向性を決定できるのも飼い主さんだけなんだと思います。
先生もおっしゃっている様に考え方は人それぞれだとは思います。
もちろん獣医師の先生方はみなさん「動物を治療する」という使命を持って
お仕事をされていると思います。
が、獣医師の先生から「何となく動物たちがかわいそう」と言われてしまうと
飼い主さんの心が乱れてしまうのではないかな~と思ってしまいました。
自分自身去年ワンコを虹の橋に送った身としてコメントさせていただきました。
生意気を言って申し訳ありませんでした。
お仕事頑張って下さい(^^♪
Blanche様
ご無沙汰しております。
今もブログを読んでくださっているとのこと、大変嬉しく思います。
ありがとうございます。
確かに、その子らしく・・・というのはその通りなのかもしれません。
治療することによって痛みや苦しみから少しでも解放してあげたいという気持ちは
動物病院側のエゴなのかもしれませんね。
僕自身が痛いのとか、呼吸が苦しいのとかがすごく嫌いなので
動物たちもそうだったら嫌だろうなあ、って勝手に考えていたのかもしれません。
ご助言ありがとうございます。
患者様それぞれのご意向にできるだけ沿えるような診察ができるよう
肝に銘じておきます。
ありがとうございました。