きのこの山の下の部分
純粋に医学的な立場を取ると
尿石の既往がある子には
尿石予防の療法食をあげないといけないのかもしれないですし
慢性腎臓病のステージがそれなりに進んでいるのなら
リンの制限・タンパク質の制限された食事しかダメというべきなのかもしれません。
療法食以外のものは与えないでください、っていうのが
本来の獣医さんが患者さんに伝えるべきことなのかもしれません。
いや、でも動物達との生活って
そういうのじゃないよね?とも思います。
身体に良いことなんてほとんどないとわかっていながらも
僕だって焼酎を飲みますし、お菓子も食べます。
中にはタバコを吸う人だっているわけです。
じゃあ、動物たちにもそういう楽しみがあっても良いのでは?って
獣医の立場からはなかなか言えないのが難しいところ。
昨日の診察の時に
患者様が
『きのこの山の下の部分』とかついついあげちゃうのよね〜、とおっしゃっておりました。
いや、確かにあげますよね。
自分もあげてました。
トーストのマーガリンついてないとことか。
味がそんなについてない部分だと
ついついあげちゃってた気がします。
だって喜んでくれるんですもん。
最初から人間が与えなければ
動物も欲しがるようなことはしないですよ、というご意見は
はい、もうその通りですとしか言えませんが
それでも僕はそういうのあげてしまうタイプの人間なんです。すみません。
慢性疾患と戦う上では
厳密な管理というのはもちろん大事な要素ではあります。
ただ、そんな中でも
そういうちょっとした余裕は残した内科管理というものを心がけたいな
と思った次第であります。
せっかく犬猫さんと一緒に暮らしているんですし
その幸せは誰しもが享受したいものですしね。
病気になったとしても
対象となる動物はもちろんのこと
そのご家族のQOLも下げないような治療プランを考えられるようになりたいなと
そんなことを考えるきっかけになった昨日の診察でした。
おしまい。