ベトメディン経口液
主に犬さんの僧帽弁閉鎖不全症などの内科管理などの治療の主軸となる
動物用のピモベンダン製剤の先発品であるベトメディン。
そのベトメディンの液剤が来月3月から発売となります。

(⇧画像はベーリンガーさんのサイトより)
薬の効果としても
既存の錠剤と遜色ないみたいですし
今まで投薬が難しかった子の新たな選択肢としては良いかもしれません。
僧帽弁閉鎖不全症の犬さんにピモベンダンの投与を開始するのは
基本的にはACVIMステージ分類のB2後半からになるわけですけれども
できれば心不全の発症ステージとなるステージCにはしたくないわけでありまして
投薬はできれば欠かさず続けたいわけです。
僧帽弁閉鎖不全症に対して外科手術を考えないのであれば
基本的には半永久的に飲み続けないといけない薬の一つだと考えられますので
できれば日々の投薬のストレスは減らしたいと思うんですね。
そういう意味合いで
基剤が複数種類になるのは選択肢が増えるので良いですよね。
具体的な投薬方法としては
付属のシリンジに体重のメモリが付いているので
犬さんの体重に応じてその量を吸って飲ませるみたいなんですが
その量って
ピモベンダンの初期用量とされる0.25mg/kgに設定されているみたいでして。
それよりも量を増やす時はややめんどくさくならないのかなあ、とかも思います。
高用量でピモベンダンを使用すること自体は
本来のピモベンダンの添付文書には記載のない使用方法ではありますが
実際には重度の僧帽弁閉鎖不全症症例に対して
使用する循環器の先生方は多いと思われます。
僕自身も一回の投与量を増やしたり、投与回数を増やしたりすることもありますし
その結果として、左心房圧が下がり、病態のコントロールが上手くいくことも少なくありません。
そのような場合にこの液剤は少し使いにくくなっちゃうのかなあとは思いました。
それでも、0.25mg/kg 1日2回という初期の投与量で投薬する場合であったり
猫さんの心筋症のコントロールの際にピモベンダンを使用する先生方もいらっしゃるので
そういう場合には重宝するのかもしれないですね。
個人的にはこれよりも高濃度のやつとかが
今後登場するんだったら使ってみたいなあ、って思っています。
今のところは様子見でしょうか。
もし、すでにベトメディンを服用されている方で
液体の方が嬉しいです、的な方がいらっしゃればおっしゃってください。
その時は考えます。
よろしくお願いいたします。
それでは。