白色に見える眼科疾患③ 角膜変性症
眼が白く見えるシリーズの続きをいきたいと思います。
今日のテーマは『角膜変性症』。
角膜ジストロフィーと同じように
目の一番外側の角膜に
結晶状の白色混濁が生じる疾患です。
角膜ジストロフィーが基本的には遺伝性なのに対して
角膜変性症は全身性疾患や加齢、角膜炎やぶどう膜炎などの
他の眼科疾患に関連して生じる疾患とされています。
白色混濁の原因となる成分としては
脂質・コレステロールとカルシウムが挙げられます。
角膜に白色結晶状の脂質混濁を生じる疾患としては脂質角膜症というものがあるそうですが
これは中性脂肪の値が高かったり、甲状腺機能低下症だったり糖尿病とかと関連して起こったり
脂質含有量の食事とかおやつとかを摂取しまくると起こるみたいです。
で、
この脂質角膜症が慢性経過を辿ると、角膜変性症となることもあると書いてありました。
食事だったりおやつの内容には注意したいところですね。
基本的に、この脂質が沈着するパターンでは
軽度の場合、不快感とか痛みとかは伴わないので症状が出ないことも多いみたいですが
進行してしまうと角膜潰瘍が形成されることもあり、注意はしといた方が良さそうです。
一方で、カルシウムの沈着に関しては
沈着部の角膜に亀裂が生じたり、沈着した部分の一部が剥がれたりすることで
角膜潰瘍が形成されることが多いらしく
しかも、潰瘍ができちゃったら治すのに時間がかかるみたいで
大変そうな感じです。
早めに気づいてあげたいところかもしれません。
カルシウムが沈着する原因としては
高カルシウム血症とか高リン血症とかクッシング症候群などが挙げられるみたいですが
一番多いのは高齢犬のカルシウム沈着みたいです。
加齢で起こるみたいなので、やや仕方ないのかもしれません。
脂質が沈着する場合でも、カルシウムが沈着する場合でも
原疾患が隠れているのであれば、その治療を行うことを優先的に考えていきますが
基本的に角膜変性症を直接改善する薬はないため
角膜上皮障害の予防だったり、潰瘍が形成されている時は悪化を防ぐぐらいしかできないみたいです。
具体的には
ステロイドとかNSAIDsの点眼薬は使わないように気をつけることと
ヒアルロン酸の目薬だったり、眼軟膏などによって眼の乾燥を防いだり
場合によっては
角膜治療用のコンタクトレンズの使用を考えても良いみたいです。
というわけで
今日は角膜変性症のお話でした。
次の回は、核硬化症にしましょうかね。
それでは。これで失礼します。