白色に見える眼科疾患①
以前からお伝えしております通り
当院は眼科診療が得意ではありません。
むしろ苦手だと思います。
なので、長引きそうな場合はできるだけ専門医に紹介させていただくようにしています。
それを前提として。
苦手だからといって何も知りませんでは
総合診療的な位置付けの一次診療はできないと思うので
自分たちへの知識の整理のためにも
今日から
『眼が白い』という主訴をテーマに書いていきたいと思います。
眼が白いと一言で言っても
どこが白いか、混濁しているのかによって疾患はもちろん変わります。
眼が白いということは
目の透明な組織や部位に混濁が生じるということを意味しますので
その対象となる場所は
角膜、前房、水晶体となります。
眼が白い=白内障というわけではないみたいです。当たり前か。。。
角膜は眼の一番外側に存在する膜で
よく傷ができちゃったりで病院を訪れる方も少なくない場所です。
本来は透明な膜なので
この角膜が混濁しても、眼が白く見えたりするわけですね。
角膜が混濁するパターンとしては
角膜に浮腫が起こる場合、角膜に結晶状の混濁物が沈着する場合などに分かれます。
前者の原因としては、ドライアイだったりブドウ膜炎だったり緑内障だったり
後者の原因としては、角膜ジストロフィー、角膜変性症、脂質角膜症などがあります。
前房というのは
簡単にいうと、一番外側の角膜と、いわゆるレンズである水晶体との間の空間で
そこは本来透明な房水で満たされているわけですが
これが混濁することでも外から見ると白く見えたりするわけです。
前房が混濁するパターンとしては
ぶどう膜炎など目の中で炎症が起きた時に
房水中のタンパク濃度が上昇した時だったり
血中の中性脂肪などが高い子なんかが
血液房水関門というものが破綻した場合などに
脂質が房水中に流入してしまって白くなっちゃう時があるみたいです。
あとは水晶体の混濁ですね。
いわゆる白内障はこの水晶体の白濁に相当するわけですが
同じように見えるものとしては、核硬化症というものがあります。
水晶体を構成する水晶体線維というものは
生涯にわたって生産され続けられておりまして
古い水晶体繊維は中央へ集まり水晶体核を形成します。
この水晶体の中心部分の密度は加齢とともに増加していき
水晶体繊維がどんどん圧縮されていきます。
これが核硬化症と呼ばれるものです。
核硬化症は
犬さんの場合、7歳以降で認められるとされており
白内障のように水晶体線維の配列が乱れるわけではないので
明らかな視覚障害は起こさないとされています。
加齢による生理現象みたいな感じで捉えていただいて大丈夫かなと思います。
こんな感じになりますか。
外から見た時に『眼が白く見える』場合というのには
色々あるわけですね。
そりゃそうですね。
これを書いていて
普段苦手としている眼科の復習にはなって
個人的には勉強になっているように思いますので
明日からもモチベーションが続けば書いていきたいと思います。
つまらなかったらすみません。
お付き合いいただけましたら幸いです。
明日からは各論に入りたいと思います。
それでは。