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ウルソは犬猫さんの腸内環境に影響する
昨年のヨーロッパのECVIMの研究発表の中で
こんなのがあったそうです。
『ウルソデオキシコール酸の投与が犬と猫の腸内環境を変化させる』的なタイトルでしょうか。
ウルソデオキシコール酸
通称ウルソはご存知の方も多いかもしれません。
血液検査で肝臓の数値が高かったり
肝炎と診断された時に処方されることが多いのかなと思います。
昔は
超音波検査で
胆嚢の中に胆泥が貯留していたらウルソを処方
的なことが流行っていたこともありましたが
一部の例外を除いて
肝臓の数値が高くなく
胆嚢内の貯留物に流動性があるような
問題のない胆泥であれば、投薬の必要はないものとされています。
結構、動物病院としては
健康診断後に薬を処方し続けることができる良い口実だったりするので
未だに胆泥貯留だけでウルソを飲み続けている子を見かけはしますが
昔よりは随分と減ったようにも感じます。
少しずつ変わってきているのかもしれません。
そんなウルソですが
胆管閉塞とかがない限りは
処方することによる大きな副作用もなく
動物にも比較的安全に使用できる薬の一つだと思います。
だからこそ無駄に処方され続けてしまう側面を持っているのかもしれませんが。
今回の研究発表では
そんなウルソを3週間飲み続けることで
犬猫酸の腸内環境に変化があったことが報告されています。
現時点でその変化が
どのようなことをもたらすのかはわかりませんが
今後解析が進めば
消化器疾患や消化器症状に対するウルソデオキシコール酸の使用方法に
変化が出てくるかもしれません。
安全に使用しやすいお薬ではありますし
腸内細菌叢に良い影響を与えてくれるのであれば
ぜひ試してみたい治療方法ですよね。
今後の追加研究を待ちたいと思います。
今日はそんなウルソのお話でした。
それでは。