恐怖の正体
高齢だから全身麻酔はかけられないって
かかりつけの動物病院で言われました。
慢性腎臓病があるので手術することは難しいって言われました。
心筋症があるから麻酔をかけることはできないと言われました。
そういうご相談は毎週のようにやってきます。
一応、今までそういう内容のご相談を受けて
手術をやってあげたいけど諦めてましたという方がいらっしゃった後に
当院でも全身麻酔は無理だからとお断りしたケースは一度もありません。
みんな麻酔をかけて手術をさせていただきました。
特に、最初のかかりつけの先生が恐れていたような事態になったことはありません。
それは、今までたまたま上手くいっているだけなのかもしれませんし
今まで良かったからといって
次の手術の結果も上手くいくというわけではないと思います。
それでも手術ができないわけではないし
諦めないといけないわけではないんですよ、ということは事実だと思います。
腎臓の数値が高い犬猫さんには全身麻酔をかけられないというルールの下で
当院の診療業務を行うとすると
もしかしたら月の20%ぐらいの手術は中止にせざるを得ないかもしれません。
それぐらい他の動物病院様に通っておられるご家族様からのご相談は多いです。
全身麻酔は無理です、という言葉の裏には
リスクを取りたくないという恐怖心から来てるんじゃないかなと僕は考えています。
じゃあ、その恐怖の正体はなんなの?ってなった時に、実際はよくわかんないんですよね。
何を恐れているから全身麻酔をかけることができないのか?という
ちゃんとした理由の言語化が上手くできていないケースが多いように感じます。
心臓病?腎臓病?
いやいや麻酔なんて無理でしょ!っていう考え方が先行しているような
そんなイメージですね。
恐れているものの正体がわかれば
ある程度対策を打つことが可能かと思いますし
そんなに恐れなくても大丈夫なんやん、ってなると麻酔をかけられるんじゃないかと思っています。
というより
僕は持病のある子の麻酔もそうかもしれませんが
それと同じくらい持病のない子の全身麻酔の方にも一定の恐怖心があります。
それは、どんだけ準備をしても
麻酔のリスクというものがゼロにはならない
的なところから起因しているものでありまして
持病のある子よりも健康な子の方が
患者様の感覚としては
麻酔なんて大丈夫でしょ!的な方が多いと思いますので
そうするとプレッシャーは、健康な子の方が大きくなったりするもんです。
そう考えると
結局、持病がある子もない子も
同じようにそれなりのプレッシャーを抱えながら全身麻酔に挑んでいるんですね。
だからこそ、健康な犬猫さんの去勢手術であっても
色々と緊急的な対応ができるような薬剤は準備して臨みますし
その結果として麻酔にかかる費用が上がってしまっているのだと思います。すみません。
でも、僕は
高齢だとか腎臓病のある子には麻酔はかけられません、とかおっしゃるのなら
先生!健康な子にもかけない方が良いと思いますよ!!
って言ってあげた方が良いんじゃないかなと思うくらい
全身麻酔を恐れています。
その恐怖心を少しでも減らすために、色々と準備・想定して手術に臨むようにしています。
先日、60代の一次診療の先生が診察をされているところを
見学させていただく機会がありました。
あれはあれで貴重な経験だったように思いますが
50代、60代以上の先生方とは獣医師としての生きている世界が違うんだなと強く感じました。
10以上離れている先生との話でも感じることが多いですが、それ以上でした。
だから、こんなことを書いたって
動物病院が考える
犬猫さんの全身麻酔に対する考え方は
絶対にすぐには変わらないんだろうなって思います。
大事なのは、患者様がある程度、理論武装をすることなんじゃないかとやっぱ思います。
何が怖くて、何は大丈夫なのか。
正しく恐れることが大事なんじゃないかと思います。
何でもかんでも全身麻酔は怖いもの、ではなく
何でもかんでもここの動物病院なら大丈夫、ではなく
ここまでは対策が打てておそらく大丈夫。
こっからはどう転ぶかはわからない。。。みたいな。
そういう感じのニュアンスで。
それだったら手術しましょう。
その恐怖はどんなに頑張っても拭えるものではないので、今回はやめておきましょう。
そんな感じをしっかりと患者様と共有して
動物の治療に臨むのが大切なんだと思います。
なんか、何が書きたかったのかよくわかりませんね。
統一感の無い文章。
いつもそうですかね。
思ったことをそのまま書いているからそうなるのか。
すみません。読みにくくて。
本当はマズルコントロールについて書くつもりだったんですが
急遽、内容を変更しました。
なんとなくです。
明日は、マズルコントロールって怖いんだぜっていう話を書ければなと思います。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。