犬さんの避妊手術の実施時期
以前から
早期の犬さんの避妊手術と尿失禁に関しては
関連があるのではないかとされておりました。
そんな中、今年の7月のこちらの報告によって
7ヶ月未満の犬さんの避妊手術は
早発性尿失禁の発生リスクとなることが明らかになりました。
この報告自体は海外のものなので
犬種の割合がどうしても中大型犬が多くなってしまっていたりする点は
日本の事情とは違うとは思うので
そっくりそのまま当てはめて考えるのは良くないとは思います。
ただ、中大型犬さんを
7ヶ月未満で避妊手術するか否かに関しては
慎重にご家族と相談した上で決める方が良いのではないかと思います。
以前のブログにも書きましたが
2020年に行われた大規模な調査で
わんちゃんの犬種ごと、性別ごとに
去勢手術・避妊手術を実施する推奨タイミングみたいなガイドラインが発表されています。
当院では基本的にその報告の中で出てくるこちらの表↓
をもとに、ご家族様には説明させていただいております。
早期の去勢・避妊手術は
その後の腫瘍の発生率であったり
関節疾患の発生率が上昇する場合があることがわかっていますので
実施時期に関しては、慎重に検討させていただいております。
同じ犬種だったとしても
その子一人一人によって成長具合も異なるため
そこら辺も加味して今は相談させていただいているのが
当院の実際になります。
ただ、最近なんとなく嫌だなあと感じたことがありまして。
当院がお休みの金曜日とかに他の動物病院さんを受診された患者様が
絶対に生後6ヶ月で避妊手術はした方が良いよ!みたいな感じで
それ以外は間違ってると言わんばかりの説明をされた
というようなことがありました。
まあ、論文だったりの情報を信じるか信じないかは
獣医師によって違うんでしょうし
昔ながらの生後6ヶ月で犬さんも猫さんも去勢も避妊もやらないとダメ!
みたいな先生の方がもしかしたら多いのかもしれません。
ただただ、うちの動物病院だけが変なことを言っているみたいな
そんな空気感になっているのかもしれません。
そもそも変な動物病院だという認識は間違ってはないように思いますしね。
最終的にはご家族様が決めることではあるので
正直、僕としてはどっちでも良いっちゃ良いんですけど
僕だったらラブラドールさんとかを家に迎えたとして
生後6ヶ月とか7ヶ月とかで去勢とか避妊手術は自分の子にさせたいとは思わないなあって
ただそれだけです。
別に、癌になる理由が避妊手術だけではないのはわかっていますし
時期を遅らせたからといって、癌にならないわけでもないのはわかっていますが
それでも、リスクがあるってわかっていて
自分の選択で避けることができるんだったら
自分なら避けるかなと。
皆さんはどうお考えになるのでしょう。
というか、僕が嫌だなって思うことは
避妊手術の時期をいつにするかってことではないんですね。
実際、うちでもそういったデータをお話しした上で
適正な時期を待たずに別の理由から生後7ヶ月とか8ヶ月で手術をすることもありますんで
そこは絶対的に正しいデータとは考えていないです。
あくまでも参考みたいな。
問題はそこじゃなくて
そういった報告があるってことを知らない獣医師が
昔ながらの考え方とは違う考え方に対して一方的に間違っていると
患者さんに言ってしまうのは如何なものかって話です。
まあ、でも、うちの動物病院が
周りの病院さんからあんまり好かれてないから
そういうことになるんですかね。
それだったら結局自分たちが悪いってことになるのか。。。
すみません。気をつけます。
でも、今日みたいなことを書くと
より一層嫌われてしまいそうな気もしますし
正しいことを正しいと大きな声で言えないのは、なんか腹立ちますしね。
大人になりきれない人間には、そういった器用な立ち回りは難しいかもしれません。
さっきも、うちが休診のタイミングで
他の動物病院さんで膵炎と誤診されて入院治療を受けた子がいらっしゃってました。
症状とか検査結果から考えると明らかな過剰診療なのですが
そこの動物病院さんは
消化器症状があって膵臓の数値が高ければみんな膵炎にします。
そして患者さんには低脂肪食と蛋白分解酵素阻害薬をずっと続けさせます。
そういう場面を目にすると
『歴史ある膵炎製造工場』みたいな
嫌味100%なタイトルのブログを書きたくなる衝動に駆られてしまう時点で
僕は生き方が下手なのかもしれません。
すみません。
ブログで発散してしまってますね。
そろそろもっちーに本当に怒れそうなのでやめておきます。
気持ちを切り替えて明日からも頑張ります。
それでは、今日はこの辺で失礼致します。