キャバリアさん
去年のゴールデンウィークのとある祝日の日
診察が終わった病院に1人で残っていたら
トントンとドアをノックする音が聞こえて
ドアを開けてみるとそこにキャバリアさんがおりました。
お話を伺うと、以前にも肺水腫になったことがあり
今日もついさっきから同様の症状とのことでした。
病院には僕1人しかおりませんでしたので
お母様に支えてもらいながらエコーを見させてもらいました。
見た目はケロッとしている子なので
一見、元気なのかな?と思わせる感じでしたが
結果はちゃんと肺水腫で
本当はスタッフの充実した状態できちんと対応させていただくべき状態だということを
お詫びしながら、僕1人でできる範囲の対応をさせていただきました。
結果、二日後だったか三日後だったかの再診で元気な姿で病院に来てくださいました。
そこから一年と二ヶ月ちょっとでしょうか。
何度か、もう危ないかな・・・と周りを心配させる状況になりながらも
次の時にはケロッとしたいつもの顔でスタスタと歩いて病院に来てくれるようなことを繰り返しておりました。
その子が昨日お亡くなりになったとの連絡をいただきました。
最後の方は腹水を抜いたり、利尿剤とか強心剤とか結構な量を飲んだり
色々と調節しておりましたが、ダメだったです。
いつものケロッとした顔で周りを拍子抜けさせるような姿を
もう見れないのかと思うと結構辛いです。
最初に肺水腫になった時期を正確には把握してはおりませんが
当院に初めていらっしゃるよりも前の話にはなりますので
統計的にはすごく頑張ってくれたのだとは思います。
でも、やっぱりいなくなるのは悲しいですね。
キャバリアさんやチワワさん、マルチーズさんなどは
どうしても心臓に病気を抱えがちになりますが
早期から適切な時期に状況に応じた治療を介入してあげることによって
予後は良くなっていくんじゃないかなと思っています。
犬さんの僧帽弁閉鎖不全症とか猫さんの心筋症とか
そういった循環器疾患を抱える子が
ご家族と過ごせる時間を1日でも長くできるように
これからも頑張っていきたいなと改めて思いました。
今日はこの辺で失礼致します。