短頭種気道症候群と熱中症
一昨日の手術は
パグさんの短頭種気道症候群の手術でした。
鼻の穴を拡げてあげて
分厚くなった喉の軟口蓋という部分を切除するような手術です。
ここ最近は
去勢手術や避妊手術をご希望される若齢の時点で
短頭種気道症候群の症状がある子に関しては
一緒に手術をすることを推奨はさせていただいております。
興奮した時に、ガーガーと喉から音が鳴ってしまったり
寝ている時のいびきがひどい子に関しては
若いうちに手術をしておくことで
年齢とともにひどくなってくる可能性のある症状を予防できるように思います。
今回の子もそうですが
年齢が上がるにつれて、手術も結構大変になるような気がしますし
術後の管理も色々と気を遣うことが増えるように思います。
熱中症アラートが気象庁から発表されるぐらい今日も暑かったですが
すごい暑い日がこの後も続くんですよね。
ただでさえ、呼吸がしづらい短頭種の子たちは
他の犬種さんよりも、熱中症のリスクが高いです。
ガチの熱中症の死亡率は高いので
怖い病気だという認識は皆様お持ちだと思いますし
熱中症にならないよう色々と対策を取ってもらっていると思います。
散歩の時間をめちゃくちゃ早朝にするか
夜遅くにしたりで、日中の運動を避けたり
こまめに水分を補給してもらったり
自宅でもエアコンをずっとつけていたり。
そういうことを徹底してくださっているおかげか
最近は本物の熱中症を診る機会はほとんどないと思います。
たまに体温が高いというだけで熱中症と診断された、というお話を聞く機会がありますが
基本的に高体温になるイベントがない限り熱中症になるようなことはありません。
エアコンが効いている家の中にいて熱中症にはならないと思いますので
それでも高体温なら、発熱する疾患を疑うべきだと思います。
僕がちゃんとした熱中症と診断した最後の子は
夏に猛暑の中、数時間炎天下にいたという状況の後に発症しています。
その前に診た子は
お母さんが映画を見に行っていて、車のエアコンをつけるのを忘れていて
車に戻ったら、ぐったりしていたわんちゃん2人でした。
1人は助かりましたが、1人は残念ながら病院に来た時点で亡くなっていました。
熱中症ってそういう病気です。
基本的には予防が可能な病気だと思います。
この1週間ぐらいは特に暑いみたいなので、皆様気をつけましょう。
短頭種の子は特にご注意を。
現時点で、ガーガーとかいびきとかがひどい子に関しては
短頭種気道症候群の手術をすること自体も、熱中症予防になるかもしれません。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。