再生医療
雨ですね。
そのせいか午前中の診察件数が少なく
昼の手術と検査が比較的スムーズに終わりましたので
この時間にブログ書いています。
当院は、昨年、動物再生医療技術研究組合の組合動物病院になりました。
できるだけ症例数を増やしたいという想いもあるのだとは思いますが
定期的に情報更新のために症例や治療成績などのデータの報告をしてくださいます。
昨日は、そんな組合の方とのweb面談でした。
腎臓病に力を入れたいと考えております当院としましては
犬猫さんの慢性腎臓病の治療の一つの選択肢として
再生医療が有用なのであれば、積極的に実施したいと思っておりますので
その辺りを直接聞いてみました。
慢性腎臓病の子に対して幹細胞療法を実施している症例数は
他の疾患と比較するとまあまあ多いみたいです。
一応、データ上、効果があったと判定されたものは
おおよそ40%ぐらいの確率でした。
何をやってもあんまり効果がなく
最後の頼みの綱として
再生医療を選択される場合も多いというお話だったので
他の治療選択の効果がない中での40%だったら
それなりに意味はあるのかな、という印象はありました。
ただ、効果判定が
治療前の時点と1ヶ月後の症例の状態との比較で行われていたので
その点が個人的には少し引っ掛かるところではありました。
慢性腎臓病は進行スピードに個体差はあるものの
そんなにスピーディに病態が進行するケースは
特に猫さんの場合だと多くはない印象です。
1ヶ月の間、クレアチニンの数値が変わらないからといって
それを病態の維持に貢献できたとは判定しにくいように思います。
何もしなくても1ヶ月ぐらいだったら変わらない子もいますしね。
そこらへんのデータを収集するのって結構大変なんだとは思いますが
幹細胞治療を境にした治療前の数ヶ月間の経過と
治療後数ヶ月後の経過とを時系列で示してくださると、すごく参考になるんですが。
現段階では
こちらから患者様に強く勧めるというよりは
再生医療という選択肢も一応あるのでチャレンジしてみたい方にはどうですか
というスタンスになりそうです。
犬猫さんの慢性腎臓病に限らず
慢性腸症やアトピー性皮膚炎、関節炎などにも適応されるみたいなので
(ご参考までにこちらをどうぞ→https://parmcip.jp/owner/)
もし再生医療にご興味のある方はご相談ください。
それでは、今日はこの辺で失礼致します。