犬猫さんの腸活
腸内細菌叢とは、消化器系に存在する微生物の集合体のことを指します。
近年、この腸内細菌叢が生体内のさまざまな疾患と関連しているという研究が
急激に増えてきているということを
ご存知の方も多いかもしれません。
この研究の流れは、ヒトだけに限定されるものではなく
犬猫さんにおいても腸内細菌の研究が少しずつ増えてきています。
ヒトの場合だと、消化器疾患や慢性腎臓病と
腸内細菌叢が密接に関連するという研究が報告されており
この流れは、犬猫さんにおいても同様のものが出てきております。
実際に、下痢をしている犬さんと健康な犬さんの腸内細菌叢を比較した研究では
ヒトの下痢の際に見られる腸内細菌叢の変化のパターンとの
共通性が見られることが示唆されております。
猫さんにおいても同じような報告もなされていることから
ヒトと犬猫さんの下痢症状における腸内細菌叢には
共通性が数多く見られることが示されております。
また、慢性腎臓病(CKD)においてもいくつか研究があり
健康な犬さんと慢性腎臓病の犬さんで腸内細菌叢の変化を比較した報告では
ヒトの慢性腎臓病患者さんにおける腸内細菌叢の変化と
非常に類似した変化が見られることがわかっております。
猫さんに関しては、報告数は少ないので一概にはまだ決めつけることはできませんが
慢性腎臓病の猫さんで
ヒトの腎臓病患者さんと同様の腸内環境の変化が起きている可能性が高いとされています。
こういった腸内細菌叢の変化を治療のターゲットと捉え
消化器疾患や慢性腎臓病の治療の一つの選択肢として試みた報告もありまして。
わんちゃんの炎症性腸疾患に対しては
プレバイオティクスの摂取による症状改善効果が複数報告されておりますし
猫さんの慢性腎臓病に対しても
尿毒素の減少が確認されたりしています。
腸内細菌叢の改善を行うために
プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスに加え
ポストバイオティクスというものも新たに注目され始めており
今後、人の医学領域においても
動物の獣医学領域においても
腸内細菌叢への治療アプローチというものは急速に発展してくると思います。
腸内細菌叢をチェックして
病気の早期発見や予防に使えるような検査が本格的に実用化してくるでしょうし
これが一番効果があるよ、みたいな
○○バイオティクス製剤も登場してくるとは思います。
色々と研究が進んで
消化器疾患、慢性腎臓病、皮膚疾患、口腔内疾患などなど
様々な疾患に対しての治療選択になってくれると良いですよね。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
いつも拝見させていただいております。以前の猫(2024/7/30没)で腎不全の怖さを見せつけられその時のコンベニア注漬けの治療を後悔して現在一緒に過ごしているシニア♀猫にはかかりつけ病院から提案されたピュリナのフォーティフローラを毎日服用させて腸活実践しております。それと同時にかかりつけ病院に推奨もあり療法食も開始しましたが食い付きが良いのは最初だけでその後、色々なメーカーの療法食をドライウェット問わず試しましたが私の場合はいずれも失敗に終わりました。今は已む無く療法食の要件は満たしていない腎臓の配慮を謳うフード主体に切り替え順調に摂食してくれます。長く健康に生きてくれるのが最高ですが動物にとって日々美味しい物を食べる事は人間のそれより遥かに生きがいと思います。