猫さん情報
腎臓病の猫さんへの低用量メロキシカムの投与
先日のセミナー
がんを抱える猫さんの緩和療法がテーマだったわけですけれども
やっぱり大事なのは
疼痛管理と栄養療法になるみたいでして。
栄養療法は
食欲増進剤のお話と
食道瘻チューブや胃瘻チューブなどのチューブフィーディングのお話でした。
で、疼痛管理は
いわゆるNSAIDsと呼ばれる非ステロイド系の消炎鎮痛剤に分類されるメロキシカムの使い方と
ブプレノルフィンの口腔粘膜への投与のお話が出てきておりました。
後者のブプレノルフィンに関しては
当院でも猫さんの痛みに対して、ちょいちょい使用する機会がありましたが
メロキシカムの方はどうしても抵抗がありました。
というのも
NSAIDsは腎臓に対する影響が怖いというのが正直なところでありまして
特に痛みに悩む猫さんは腎臓病を持っているケースも少なくありません。
痛みは軽減できても、腎臓病が進行してしまっては・・・って感じで
使用を避けておりました。
で、冒頭の論文でございます。
低用量のメロキシカムを使用することは
腎臓病の猫さんに影響があるのか否か?的なやつです。
結論
半年間使い続けても
クレアチニンやSDMAの値や糸球体濾過量に影響を与えなかったよ、という感じみたいです。
低用量なら使用してみるのもアリってことですね。
かといって、僕たちの心理的なハードルが完全に除去されるわけではないですし
使用するならば、きちんとしたモニタリングは必要かとは思いますが
これはこれで有用な情報かと思うので
痛みに対する一つの選択肢は増えたんじゃないかと思います。
痛いのって本当に辛いですからね。
体への負担がなく痛みを止めることができるのであれば、良い治療選択かと思います。
それでは、今日はこの辺で失礼致します。