希望を与えられる存在に
この1週間は他の動物病院さんで治療中の子が
そのままその足で来院されるケースが続いています。
先週の土曜日に初めて診せていただいたわんちゃんは
ほとんど寝たきりの状態で
もうできることはないって、前の病院さんで言われたとのことでした。
本当にできることがないんだったら
そうやって正直に伝えるのも獣医師としての仕事なのかもしれません。
でも、一縷の望みにかけて動物病院を訪れる患者さんだっていると思うんですね。
絶望的な宣告をして欲しいから病院を訪れる人ってあんましいないと思うんです。
医療面で何にもできなかったとしても
ご家族みんなが側にいて身体をさすってあげるだけでその子は嬉しいと思いますし
何でも良いから好きなもの・食べたいものを与えてあげてください、っていう獣医師からの一言も
ご家族様にとっては嬉しいことだってあると思うんです。
何が言いたいかって
動物病院は、何でも良いから希望を与えるような存在であって欲しいなって思うわけで
もう無理、なんて言葉は誰も求めてないんじゃないかと。
嘘でも良いから
なんとかします、とか
こういう手はどうでしょう?とか
大好きな動物のために、まだ何かやってあげられることがあるんだと
そう思えるだけでご家族の気持ちは救われるんじゃないかなと思うんです。
なんとかします、とか言っておいて
結局、良くできなかった時はそりゃあ叩かれるかもしれません。
でも、叩かれるのを恐れて何もしないのはちょっと違うと思います。
ちなみに、前述のわんちゃんは
今日立って歩いて見せてくれました。
素直にすごいと思いました。
諦めないでやると
動物達の方もそれに応えるように希望の光みたいなものを見せてくれる時があります。
少しでも良いから
ご家族様に希望を与えられるような
そんな動物病院でありたいなって思います。
頑張ります。
それでは。
お世話になっております、
こちらの記事はうちの月雫(つきな)のことかな…と思っておりましたが違いましたらすみません。
月雫は今朝、静かに息を引き取りました。
人間側の勝手な気持ちですが、およそ1ヶ月も一緒に過ごす時間を延ばしていただいてありがとうございました。
やはり食べないというのは我が家でひとつの目処ですので、当初は流動食を提案くださり命を繋げていただいて、一時は自分から食べることもできて、月雫は食いしん坊だったので「美味しい、食べたい」と最後にもう一度思えたことが本当に良かったです。
そして流動食も受け付けなくなったので、もうその時が来たのだなあと1ヶ月前よりは穏やかに迎えられました。
最期半日ほどは呼吸が深くて少ししんどそうでしたが、それまでは静かに過ごせました。
お水もほぼ最期まで飲めてましたので、今もきれいな顔です。
引き続き猫のあずき、いろはをよろしくお願いいたします。
余談ですが、いろは以外飼い主含めみんな関西出身でして、あずきは奈良で保護(月雫は大阪)、そしておそらく先生が大学生の頃に私たちも湘南地域に住んでいましたので静岡で会したのはおもしろいご縁だと感じてました。
ブログを拝読していると、きっと飼い主それぞれの信条があるなか様々な選択肢を用意してくださっている勤勉な姿勢に胸を打たれます。
近いうち、あずきは選択していく場面が出てくると思いますので、ブログで予習し、感謝し、どうか先生にお疲れが出ないよう願っています。
今回良いご報告はできなかったですが、お礼をお伝えしたくコメントいたしました。
本当にありがとうございました。
>森様
コメントしていただきありがとうございます。
そうなんです。月雫さんのことを書かせていただきました。
月雫さんが立ち上がって、一時でも自分で食べるようになってくれたことは
僕の中では本当に奇跡的なことだと思っています。
ご家族の献身的な介護があれば、動物はきちんとそれに応えてくれるんだなと教えてもらった気がします。
最期はあまりお力になれずに申し訳ありませんでしたが、こうやってご報告いただけることが僕としてはとても嬉しく思います。
ありがとうございます。
あずきさん、いろはさんも引き続き診させていただければと思います。
皆様、関西出身で、しかも湘南地域にも住まわれていたとのことで
確かに不思議なご縁を感じますね。
あまりタメにならないことも多いブログではございますが
これからも地道に続けていきますので、宜しければ読んでみてください。
こちらこそ本当にありがとうございました。
大山