ラパキャットトライアル
ラパマイシンという薬剤が
猫さんの肥大型心筋症の進行を抑制してくれるんじゃないか?という研究が行われておりまして
その名も『RAPACAT trial』
こちらの研究での猫さんの観察期間は180日間と
そこまで長くはないのですが
低用量のラパマイシンを投与した群では
プラセボ群と比較して良好な結果が出ています。
猫さんの肥大型心筋症は無症状の場合は特に経過が長くなる傾向にありますので
180日間だとその後の予後がどうなのか?安全性的な問題が出てこないか?などの
色々な疑問点が出てくるので
猫さんの肥大型心筋症の治療薬としてラパマイシンを!とはまだならないかもしれませんが
今まで画期的な治療薬が存在しない病気に対して
ポジティブなデータが出てくること自体はすごく喜ばしいことかなと思っています。
ラパマイシン自体は
もちろん動物薬としては市販されていないので
アメリカのFDAによる承認とか、日本での農水省の認可とかは
かなり先の未来になるのかもしれません。
『ラパマイシン』ってgoogleで検索してみると
人間用の医薬品で、1mg錠が1308円という薬価だそうです。
今回の研究の低用量群が
0.3mg/kg前後を1週間に一回の投与なので
体重4kgの猫さんだと1週間で一錠とかぐらいなんですかね。
まあまあ高いお薬になりますが
本当に心筋症の進行を抑制してくれる可能性があるのであれば
やってみたい治療ですよね。
この研究がもう少し進んで
長期の予後だったり有効性だったり安全性だったりが徐々にわかってくると
猫さんのご家族さんにとっては嬉しいニュースですよね。
動物用の医薬品も
色々な分野で新しいお薬が出ていますし
動物医療も年々進化しているように思います。
そうやって犬猫さんと幸せに暮らせる時間が
少しでも長くなっていければ良いですよね。
今日はこの辺で失礼いたします。
それでは。