慢性疾患の治療
年末年始の予定です↓
◇12月28日(木) 望月34歳の誕生日 通常通り20時まで診察
◇12月29日(金) 臨時診療日 午前9時30分から12時まで 午後は14時から18時まで
(金曜日ですが、今年最後なので、日曜日・祝日と同じ診察時間で診察します。)
◇12月30日(土)から1月3日(水)まで 休診
(休診の間、望月はあんどえむに午前中だけいる予定です。
会いたい方はあんどえむに直接行ってみてください。
病院のお電話などは繋がりませんのでご注意ください。)
◇1月4日から 通常診察再開
*1月5日(金)は休診となります。
慢性腎臓病のような数年単位で進行するような疾患の治療と
その治療の効果を判定することは
非常に難しいなあと感じております。
先日のセミナーで
5-ALA(アミノレブリン酸)と慢性腎臓病のお話がありました。
結論だけ簡潔に書くと
①酸化ストレスのマーカーである8-OHdGやMDAという物質は
慢性腎臓病のステージが高いほど猫さんほど数値が高くなることがわかっている。
②抗酸化物質である5-ALAはラットの急性腎障害を防ぐことがわかっている。
③5-ALAを不足させたマウスは加齢により腎臓の形態異常が起こることがわかっており
これは5-ALAを投与することで抑制することができる。
④二か月間の観察期間ではあるものの、慢性腎臓病の猫さんに5-ALAを投与すると
酸化ストレスマーカーの8-OHdGが低くなる傾向にあることがわかっている。
(*ただしCreなどの腎機能のマーカーとして使用される検査には変化はなし。)
これらのデータを受けて
慢性腎臓病の進行の原因と考えられる酸化ストレスに対して
5-ALAを使用することは、酸化ストレスによる尿細管障害などを抑制し
慢性腎臓病の進行抑制につながるかも??
という期待は持てるわけですが
実際の評価が非常に難しいんですね。
というのも、猫さんの慢性腎臓病自体が
3年とか5年とか数年単位で時間をかけて進行していくものなので
観察期間を長く取らないことには
薬などの効果をきちんと評価することが難しくなります。
それに加えて
慢性腎臓病の病態は、血圧だったり蛋白尿だったり、ミネラル代謝異常だったり
色々な要素が絡み合っているので
他の薬剤や療法食などの治療介入が加わることも多く
単独の薬剤・サプリメントの評価というものが難しいんですね。
仮に、IRISステージ2の慢性腎臓病の猫さんのクレアチニンの数値が
2年間上昇しなかったからといって
それが薬剤の効果なのか?
何もしなくても進行しなかったのか?
なんていうのは
単独の評価だけでは、誰にもわからないわけです。
ラプロスという商品名でお馴染みのベラプロストナトリウムも
同じ感じなんじゃないかなと僕は考えておりますが
今回のセミナーをされていた先生はラプロスを肯定的に捉えていらっしゃいました。
やっぱり獣医師によって大きく意見が異なる薬剤みたいです。
5-ALAも以前から言われているように
慢性腎臓病に関して長期的に見たら良さそうな感じですが
なかなかそれだけを評価するのって難しいんです。
動物に使用するとすれば
エネアラというサプリメントを使用する形になると思いますが
プラスαの治療として何かしたいです、って方には使用しても良いかもしれないですよね。
こっからは完全に個人的な意見なので
異論・反論は大歓迎でございますが
慢性腎臓病にサプリメント使用するとすれば
アンチノールとエネアラなのかなって僕としては思います。
僕の実家の犬が亡くなって4年が経ちますが
完全な慢性腎臓病だったので
リン吸着剤のサプリメントも飲んでおりましたが
そっから結構勉強した上で思うのは
それらを使用するのにお金を使うなら
この二つサプリメントを使用するかなって、今なら思います。
リン吸着剤は、アルミニウム製剤とかランタン製剤、鉄製剤なんかの
薬剤の方が絶対良さそうですしね。
4年前の時点でも、2年間ぐらい頑張ってくれた闘病生活でしたが
今あの頃に戻れるなら、もっと違う内科管理ができたんだろうなあって正直思います。
自分の子にどうこうやってあげることはもう叶わないので
これから診させていただく腎臓病の犬・猫さんに対して
できる限りのことをやってあげたいなって考えておるのです。はい。
そんなわけで慢性腎臓病にエネアラ使用したい方は
動物ナビでも買えるので試してみるのもありだと思います。
8%OFFにはなっていると思うのでよろしければどうぞ。
病院コードを知りたい方は仰っていただければお教えいたします。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。