ファモチジンの経口投与
昨日は21時から消化器についてのオンラインセミナーがありました。
本当は今日も21時からセミナーの予定だったのですが
講師の先生が体調不良のため延期となりました。
本当は延期になった方のセミナーの内容を
今日のブログのテーマにしようかと思っていたわけですが
延期になってしまったので
昨日の消化器セミナーについてでも。
昨日のセミナーは主に消化器症状に使用される薬剤についてのものでした。
吐き気を止める制吐剤。
胃酸分泌を抑制する胃酸分泌抑制剤。
消化管運動を改善する消化管運動改善薬。
胃の粘膜保護に働く防御因子増強剤。
食欲を刺激する食欲増進剤。
こんな感じのラインナップでありました。
この中で皆様にも馴染みのある薬といえば何になるでしょうか。
胃酸を抑える薬についてでも書いてみようかと思います。
胃酸分泌を抑制する薬剤は
主に胃潰瘍の治療時なんかに使用されたりするわけですが
ガスターという名前でお馴染みのファモチジンがやっぱり有名ですかね。
以前は、胃酸を抑えるために
頻繁にファモチジンは使用されていたように思いますし
注射薬なら当院も今でも使用することはあります。
ただ、昨日のセミナーでも触れられておりましたが
飲み薬のファモチジンが
どのくらい胃酸を抑えてくれるのか?を調べた報告が出てから
経口薬のファモチジンの効果はおまじないみたいな感じになってしまいました。
本気で胃酸を抑えにかかりたい時は
ファモチジンではなくて
オメプラゾールやランソプラゾールといった
プロトンポンプインヒビターというものに分類される
他薬剤の使用を検討しなくてはいけないとされています。
というわけで、当院には経口薬のファモチジンの在庫は置いていないのですが
この薬だって僕が新卒で働き始めた頃は
毎日のように処方されていたように思いますし
今でも現役選手として
処方されている動物病院さんも多いように感じます。
数年前まで普通に処方していた薬の効果が
実はほとんどありませんでした、という事実を知るときの衝撃って
結構すごいものがあるんですが
医学ってちょいちょいこういうことが起こるような気がしています。
少しの間、情報を取得することを怠ると
あっという間に置いていかれそうな気がしますし
気づけば自分のやっていることが
時代遅れな治療になっているんではないかという恐怖さえ覚えます。
病院移転を口実にサボっている場合ではないですね。
とりあえず、溜まっている医療雑誌でも読みましょうか。はい。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。