当たり前は当たり前じゃない
僕が中学1年の時に実家に一人のミニチュアダックスフンドを迎えました。
彼がお家に来てくれたことが
今こうやって仕事をしているきっかけを与えたくれたわけですが
そんな彼は2019年の冬に18歳という年齢で亡くなりました。
後半の4,5年間は、本当に口が出てくる子でして
何をしても怒ってきましたし、抱っこも難しかったです。
目の前に手を持っていった瞬間にこちらを咬みにくる感じでした。
ラスト2年半ぐらいは慢性腎臓病の管理のために
自分の勤めていた病院で
色々と検査したり点滴したりすることが多かったわけですが
その度に、保定をしてくれる看護師さん達には申し訳ない気持ちになっておりました。
ただ、そんな彼も元気がなくなったり調子が悪い時は
咬むという行為すらなかなか難しくなっていて
攻撃的な行動が、ある意味で意識レベルの指標みたいになっておりました。
そんなこともあり最期の方は
こちらを咬んできてくれるという仕草がどこか愛おしくさえありました。
今から4、5年前のそんな想い出を
思い出させてくれるきっかけになった二人のわんちゃんがおりました。
一人のわんちゃんは脳腫瘍からくる痙攣のコントロールのための治療で
もうお一人は肝不全からくる肝性脳症のコントロールのための治療で診させていただいておりました。
毎回お二人ともこちらに向かって攻撃を仕掛けてくれる仕草は
僕にとっては本当に愛おしく感じられ
診察を楽しみにするなど、あってはならないのかもしれませんが
懐かしい想い出を思い出させてくれる
とても貴重な診察時間でした。
先月、その脳腫瘍のわんちゃんが亡くなってしまって
喪失感がすごく大きかったわけですけれども
昨日の夜中にもう一人のわんちゃんも虹の橋を渡ってしまいました。
患者様がお亡くなりになる度に落ち込んでいては仕事にならないのですが
患者様一人一人とそのご家族ごとに
色々と僕なりの想い出もあるわけで
きっと永遠に慣れることなんてないのだと思います。
診察の度にこちらの手を狙って攻撃してくれる
いつもの診察がもうできないという喪失感は大きいですが
その貴重な時間を与えてくれたことに
改めて感謝をしたいと思います。
ありがとうございました。
今日はこれで失礼します。
その節はたいへんお世話になりました。
今ではすっかり両先生のブログの一ファンでございます(笑)
私にはとても想像もつかないような激務の毎日、どうか御身体のケアもお忘れなくお願いしますね。
またいつか先生にお世話になれたらいいなぁと妄想しております、その時にはぜひよろしくお願いします♬
>Leon@0415様
こちらこそ色々とお世話になりました。
ブログを読み続けてくださっていたとは思ってもみなかったので
嬉しい限りです。それがわかっただけでも元気になります!
ありがとうございます。
こちらこそ機会がありましたらぜひ!
新しい病院にも遊びに来ていただきたいです。