抗菌薬の使用とがん発生のリスク
先日、こんな記事がありました。
抗菌薬の長期使用によって
肺がんの発生リスクが上がる可能性があるよ、という
人の医療分野での報告です。
この記事にも書いてありますが
抗菌薬(いわゆる抗生物質)を使用することによって腸内細菌叢が破綻をきたしてしまい
様々な病気の原因になってしまうんではないか?
というようなことは色々な分野で指摘されております。
抗菌薬を病院で処方された後に
お腹を壊してしまったご経験のある人も少なくないかもしれません。
動物でも同じように抗菌薬を処方後に下痢になってしまう子は一定数いらっしゃいます。
抗菌薬は狙った特定の細菌だけをやっつけてくれるわけではないので
どうしても正常な細菌叢に影響が出てきてしまうケースがあります。
腸内細菌叢が破綻してしまうと
下痢になったり、逆に便秘になったり
あまり良いことはありません。
消化管という臓器は、身体全体の免疫力にも影響しているので
腸内細菌叢の破綻は様々な病気の原因になりうるのではないか?と推察されております。
今回の報告も同じような感じなんだとは思いますが
こういった研究が出てきている以上
やっぱり抗菌薬は使用に慎重にならないといけない薬剤だと思います。
ステロイド薬は怖いから嫌だ!という日本人の人は多いですが
抗菌薬は怖いから嫌だ!という人は少ないように感じます。
逆に『抗生物質を処方してください!』という方もいらっしゃるぐらい
日本の医療現場では抗菌薬は濫用されてきました。
それだけたくさん使用されているから
安全な薬というイメージになってしまっているのかもしれません。
どっちがどうとか比較使用もないですが
ステロイドのように正常な身体の中でも分泌されている薬よりも
身体の中には存在しないものを体内に入れる方が
なんとなく怖いイメージになりそうなもんですが
そういうわけではなさそうです。
抗菌薬を使用するにしろ、ステロイドを使用するにしろ
いずれの場合も
きちんとした使用する理由・目的を持って処方しなければならないと思いますし
処方後にどのような結果になったらどうするか?というところまで考えた上で
薬剤というものは処方しなければならないと思います。
どんな薬でも
必要な時に必要な分だけ飲むのが一番良いのだと思います。
適切に、と口で言うのは簡単ですが
それが一番難しいわけで
そのために色々な検査を駆使して最適解を模索するのが内科医なのかなとも思います。
はい。
よくわからなくなってきたので、これくらいで今日は失礼いたします。
それでは。