心原性肺水腫のわんちゃん
先月のゴールデンウィーク中のとある祝日の夜。
診察が18時に終了し
病院に残ってカルテを書いておりました。
時間は19時半。
そろそろ帰ろうかなというタイミングで
トントンと病院のドアをノックする音が聞こえました。
ドアを開けると
キャバリアさんを連れたご婦人が立っておられました。
診察時間はもう終わったことを説明はさせていただきましたが
話を聞いてみると
以前から心臓の内服を飲まれていて、前にも肺水腫になったことがある。
その日の夕方から呼吸が速くなってきているので
前のような心原性肺水腫ではないか?ということで
診ていただけないですか?ということでした。
時間は、祝日の夜の19時半を少し過ぎたあたり
スタッフはもう帰っていたので、当院には僕1人しかおりません。
今現在やっている静岡市内の動物病院は僕の知る限りありません。
夜間動物病院の開院は21時からです。
さてどうしましょう?となったわけです。
まあ、診察しますよね。はい。
一応、当院の出せるベストパフォーマンスを発揮できる状況ではないことは
ご家族にご了承いただいた上で、診察させていただきました。
幸いにも大人しいわんちゃんで、体格も大きめだったため
ご家族の方に保定をしてもらい
肺エコー、心エコーと超音波検査をさせていただき
比較的軽度な心原性肺水腫であること
現在の投薬内容が用量不足であるであろうこと
などなどが判明したため
適切と考えられる注射薬による治療
内服薬を処方させていただき
後日の再診とさせていただきました。
結果的に、その後の経過はすごく良好でして
今は呼吸状態も良くなり
食欲も以前よりは増えて、なんなら体重も増えて
以前から続いていた消化器症状も改善した。
とても良い感じです。
でも、やっぱり困っている人が困っている時に
こちらがベストを出せないという状況は
とても歯痒いものがあります。
そこがまだまだ脆弱な当院のダメなところなんでしょう。
静岡市の動物医療には
24時間のうちどこの動物病院も診察していない時間というものが存在します。
奈良で働いていた時は
県内に24時間やっている動物病院が二つ。
大阪に二つ、京都に二つ夜間救急の動物病院がある環境だったので
時間とか費用面を気にしなければ、あまり困ることはなく
身近な問題として捉える機会は少なかったように思います。
今思えば、当時はすごく恵まれた環境にいたんですよね。きっと。
静岡市内で動物と一緒に過ごしているご家族からしたら
病院が開いていない時間があるということは物凄く不安なんだと思います。
今回、こんな僕1人がただ病院に残っていただけで
たまたま救われた命があるぐらいだから
必要としている人はもっとたくさんいるんでしょう。
話を聞いたり、状況を推察するに
今の静岡市の夜間病院さんの診察時間が朝までになることは
現実的にはかなり難しそうです。
本当に24時間いつでもどこかの動物病院で診察ができる環境を作ろうと思うなら
自分たちで、どうにか人員を増やして
診察している時間を徐々に増やしていく方が近道な気がします。
というわけで
獣医さん、愛玩動物看護師さん共々募集中です。
実習・見学をご希望の方はご気軽に連絡ください。
インスタグラム、ツイッター、メールなど連絡媒体は何でもOKです。
一度、見学に来ていただければ
動物医療に興味のある方だったら
働きたいと思う可能性が高い動物病院だと思います(多分)。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。