18歳の猫さん抜歯後の経過
以前、慢性腎臓病についていたブログの記事の中で
18歳の慢性腎臓病の猫さんの歯科処置をしたことを報告しておりました↓
一応、そこから2ヶ月と少しが経過しておりますが
術後の経過は順調で
慢性腎臓病に対する全身麻酔による悪影響などもなく
猫さん本人も以前よりもご飯をよく食べてくれるようになったそうで
ご家族も喜んでおられます。
もちろん、これがたまたま上手くいっているだけの症例かもしれませんし
中には腎臓病が悪化してしまう子もいるかもしれません。
ですが
口が痛くて食べる量が減っていたり、体重が減っていたりする猫さんに対して
全身麻酔をかけて歯科処置を実施することのメリットは
ものすごく大きなものだと思います。
それが、たとえ腎臓病を持病として抱えている子であったとしても
実施するメリットが大きい場合も多いように感じております。
一昨日も16歳のわんちゃんが歯周病の相談をしたいと
電話で問い合わせがありました。
かかりつけ医の先生には麻酔は高齢なので無理だと言われたそうです。
その子の診察をまだしたわけではないので
はっきりとしたことは言えません。
が、しかし
年齢だけで全身麻酔をする・しないを決めるのは間違っていると思います。
年齢だけを基準にして手術する・しないを決めるのはやめましょう。
もちろん色々と考え方はあるとは思います。
20歳の子に全身麻酔下で処置をして
あとどのくらい生きられるんだ?と聞かれたら
確かにわかりません。
他の何か違う病気が発生してしまうかもしれませんし。
もしかしたら、いわゆる『寿命』と呼ばれるような臓器不全が起こるかもしれません。
でも、全身麻酔をかけて歯科処置をしたら
口の痛みからは解放される可能性が高いんです。
口の中が痛い時ってめっちゃストレスじゃないですか?
そのストレスから解放される数週間・数ヶ月が得られるのであれば
超高齢の動物に全身麻酔をかけて処置に臨んでも
僕は良い結果を齎してくれるんじゃないかなと考えています。
考え方は人それぞれですし
どこまで動物にしてあげたいか?に関しても
誰かに強要されるものでもないですし
ご家族皆様で話し合って決めていただくことかと思います。
ただ僕たちは
どうしても諦めたくないので何かしてあげたいんです
とおっしゃっていただけるご家族のために
自分たちができる限りの動物医療を提供するだけです。
高齢動物・超高齢動物の
全身麻酔についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談させていただければと思います。
話だけでも構いません。
何が何でも手術を勧めます!とかではなくて
本当に手術をするメリットがあるのか?
麻酔をかけるデメリットがそんなに大きいのか?
そこをきちんと相談させていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。