カーラーの救命曲線
人間が呼吸や心臓の停止、大量出血などの
緊急事態に置かれた場合の経過時間と死亡率の関係を示した以下の図をそう呼びます↓
心臓が停止した場合、わずか3分の時間が経過しただけで
半分の方が亡くなってしまいます。
なので、心肺停止時には
できるだけ早く心肺停止だと診断することと
可能な限り早く救命処置を開始することが大事になります。
心肺停止に至る原因疾患にもよるとは思いますが
早期の診断・早期の心肺蘇生処置開始が
心肺停止後に自己心拍が再開するかの鍵を握っていたりもします。
ただ、いくら決断を急がなければならないとは言え
特に長い闘病生活の末にそういう状況に陥った際に
心肺蘇生処置を施すかどうかに関しては議論の分かれる所です。
とても難しい問題だと思いますし
そこでどういう判断を選択するかに答えはないと思います。
すごく悩ましい問題だけど
蘇生処置をするかどうかを早く決めないといけない
そんな状況が突然やってくる可能性があるわけです。
いくら前々からいつそうなってもおかしくはないと
心のどこかで覚悟をしていたとしても
いざその場面がやってくると、人間そう簡単に判断できるものではありません。
迷うのが普通だと思います。
また、再び心肺停止に陥る可能性が高い子に
心肺蘇生を施すことに否定的な意見を持つ人もたくさんいるとは思います。
僕たちのやっていることを批判する人もたぶん結構たくさんいるんだと思います。
そうなると余計に何が正しいのかわからなくなってきてしまいます。
ただ、その子とそのご家族が
今までどんな風に一緒に過ごしてきたか、なんて動物医療従事者にはわからないと思います。
ご家族にとってその子の命の数分・数時間がどのぐらいの価値があるのかなんてことは
医療を施す側が決定することではないと僕は考えます。
動物達と一緒に暮らしているご家族の意向を
最大限に叶えられるようにするのが僕たちの仕事だと思っています。
というよりも、動物達が一番望んでいることは
一緒に過ごしてきたお家の人と最期まで少しでも長く一緒にいることなんじゃないかなというのが
僕の考え方なので、そんな風になるんだと思います。
その意向を叶えるために普段から準備を怠らずに
いつ何が起きても、どういう選択になっても実行できるようにしておくのが僕らの仕事です。
自己満足かもしれないですし
上手くいかないこともありますが
そういう姿勢は続けていきたいと思います。
今日はこれくらいで失礼します。