反脆弱性
『脆弱』という言葉は、もろく壊れやすいみたいな意味なので
その反対は強固な頑強なものをイメージすると思います。
実際に落としたら割れてしまうようなものを脆弱なものと表現するのであれば
落としても割れないものが頑強な丈夫なものに相当するかと思います。
それに対してナシーム・ニコラス・タレブ氏は
『反脆弱性』という概念を提唱しました。
何かダメージを被るようなショッキングな出来事が起きた時に
その悪影響を撥ね退けて逆に自体を好転させるようなことを指します。
逆境に立たされた方が逆に成長するぜ、みたいな感じですね。
新型コロナの影響で倒産してしまった企業もあれば
逆にコロナ禍であることを逆手にとって業績を向上させた企業もたくさんあります。
前者が脆弱な企業で、後者が反脆弱性な企業となるわけです。
生物の世界でも同様なことが起こっており
生物が進化する過程では気候変動や天変地異など
何かしらの変化が訪れます。
それに適応することができなくなり絶滅の危機に瀕してしまうのか
逆に変化に適応することで生物界でのシェアを増やすことができるのか
それはその種の性質によるところが大きいと思います。
そういった生物が生存する上での悪影響を撥ね退けて
進化をすることができた生物たちが今残っているわけで
進化には悪影響を与える変化というものは必要なのかもしれません。
そういったことを考えると
動物病院も大きく成長していくためには
同じように逆境に立たされる経験を何回もする方が良いんじゃないかなと思うわけです。
ずっと当院のことを見てくださっている方はご存知だと思いますが
当院もそれなりに逆境に立たされることが多いです。
その中でも昨年末から始まった移転騒動は今までで最大級の逆境だと思います。
クラウドファンディングを立ち上げて
慣れないテレビやYoutubeにも出演して
なんとか移転に向けて動くことができている今があるわけです。
移転に向けてプラスでかなりの費用が現時点でもかかっていますので
おそらくクラウドファンディングの支援金がなかったら
もう当院は今存続できていません。
今この病院で診察できるのは本当に皆様のおかげだと思っています。
今回の逆境を完全に好転化させて
反脆弱性を見せつけることができる動物病院になるためにも
なんとかこの移転をきちんと成立させねばなりません。
そうすると何とかこの4、5月の予防シーズンで売り上げを確保したいわけですが
ありとあらゆる場面での値上げラッシュによる生活費の高騰によって
動物医療に充てられる費用が家庭の中でも減らされてしまうんじゃないかという不安感はどうしても強くなります。
毎年この時期は
今年もうちで予防をしてくれるかな?という不安感には苛まれるわけですが
今年はその不安感が例年以上に強い心境です。
フィラリアの予防薬をまとめ買いは推奨しませんとか言っていますが
本当はまとめて買っていただくと物凄く嬉しいというのが本音です。
矛盾しているようですみません。
今年だけは・・・お願いします・・・みたいな感じです。はい。
胃に穴が空きそうな日々が続きますが
これが先ほど言っていた逆境というやつなのかもしれません。
それならこの事態を喜ぶべきなんでしょうか?
逆境を楽しもう!みたいな境地に立てると楽なんですが
まだまだそこまでの経験値は僕には無いように思います。
なんとか頑張っていきましょう。はい。
今日はこのへんで失礼いたします。
それでは。