当院の健康診断について
春になりまして
フィラリアの予防シーズンが始まりつつあることもあってか
健康診断に関するお問い合わせが増えておりますので
今日は改めて、当院の健康診断について書かせていただきます。
すでにご存知の方は申し訳ありません。
当院で行う健康診断は基本的に予約制でありまして
当日は朝ごはんを抜いた状態で来院していただくようお願いしております。
実施する検査としては以下のようなものがあります↓
(全ての子で身体検査は実施しますので、身体検査後に以下のものを実施する形です。)
・血液検査(血球計算、電解質測定、腎数値、肝数値、中性脂肪、コレステロール、血中蛋白質濃度、アルブミン、血糖値)→検査費用:およそ12000円。
*必要と判断した場合は、SDMAなどの追加検査を行うこともございます。
**無症状の子で、甲状腺ホルモンを健康診断時に測定することはありません。誤診の原因と考えております。
・尿検査(色、臭い、透明度、尿タンパク、pH、潜血、尿比重、沈渣鏡検)
→検査費用:2500円
*必要に応じてUPC(尿タンパク・クレアチニン比の院内測定も実施することがございます。)
・レントゲン検査(胸部3枚、腹部3枚)→検査費用:6000円
・超音波検査(心臓、腹部)→検査費用:各7000円ずつ
*心臓超音波検査に関しては、全員が必須とは考えておりません。年齢や動物種、品種などを考慮し相談させていただきます。
**腹部超音波検査時には、腹部の毛刈りをさせていただいております。ご了承ください。
・血圧測定→検査費用:1500円
動物種や基礎疾患、他の検査結果などより必要な症例でかつ
測定が可能な子に限り検査を実施させていただいております。
性格的な問題だったり、解剖学的な問題だったりで血圧測定が難しい子もいらっしゃるので
ここは可能な場合させていただく検査となります。
当院は、以上のような検査を
半日預かり(午前中来院後、一旦預かり午後の診察時間にご帰宅という流れ)で行っております。
動物病院さんによっては、診察時にその場でパパッとされる病院さんもあるかもしれませんが
当院の場合、どうしてもフルの検査をきちんとやると一時間弱ぐらいは一人の子にかかってしまうので
特殊な場合を除き、預かり検査とさせていただいております。
検査をするだけならもう少し時間を短縮して行うことが可能となるのかもしれませんが
検査というものはやれば良いというものではなく
その結果をどう解釈するか?の方が重要と考えております。
そういった検査結果の解釈とその後の検査・治療プランなどを
症例毎にテーラーメイドに考えていくのも含めて健康診断だと思います。
そうするとどうしても時間を要してしまうのです。すみません。
ですので、先ほども書きましたが
基本的には健康診断は予約制となります。
ご希望の方は一度病院までお越しいただければ相談させていただきます。
健康診断にかかるご費用に関しましても
基本的には上記のような感じとなります。
検査機器や知識のアップデートと検査試薬などの値上げにより
現在はこのような価格設定で行わせていただいております。
病院毎に検査費用は異なるものと思います。
そうすると、どうしても安い方が良いという考え方になるのかもしれませんし
安い病院は優しい病院とお考えになる方の気持ちもわからなくはありません。
ただ、安い検査費用には安いなりの理由があるのだと思いますし
高い検査費用には高い理由があると思います。
単純に値段で比較するのではなく
動物病院の中で何をしているからこの値段なのか?ということに着目して
動物病院を選んでいただく方が、最終的には後悔が少ないのではないかと思います。
愛玩動物看護師の国家資格化が実装され
正直採血をして検査を回すだけなら看護師さんでも可能となります。
血液検査をするだけなら獣医師じゃなくても良い時代になるということです。
人間の医療だってそうですもんね。
そうやって出てきた血液検査の結果をどう解釈するのか?が
獣医師の腕の見せ所・動物病院としての質の違いなんじゃないかと僕は思います。
せっかく健康診断をやるのであれば
意味のある健康診断をしたいと僕は思います。
犬さん・猫さんには少し我慢を強いることになるわけですから
本当にやって良かったなあと心から思えるような
患者様に最大限の利益をもたらすことができるような
そんな健康診断を当院は目指しております。
決して安くはない金額を頂くわけですから
こちらも本気で検査します。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。