投薬って大変じゃないですか?
こんばんは。大山です。
昨日は猫ちゃんの行動学についてのセミナーがありました。
猫ちゃんに優しい動物病院を目指しましょう、みたいなセミナーです。
最近は、犬さんの飼育頭数が減る一方で
猫さんの飼育頭数は変わらないか微増傾向にあります。
猫ちゃんに好かれる動物病院は、動物病院が生き残る道としては当然の方向性なのかもしれません。
今日のブログでは
今回のセミナーで、ちょっと使ってみたいなあと思ったことを書いていきます。
犬さんでもそうですが
猫さんにおいて特に問題になるのが多いのが
投薬できない問題です。
絶対に動物病院には連れて行かないし、この子には投薬なんて絶対にしない
と決めて動物を飼育される方は別ですが
最近では、犬さんも猫さんも動物病院に連れて行く方が多いと思いますし
どこかのタイミングで薬を投与しなければいけない事というのは出てくると思います。
そうした時に、投薬自体ができないとなると、これがなかなか大変です。
僕たちは、検査をして病気を診断していくわけでありますが
最終的に治療をしていくにはどうしても投薬というものが必要になることが多いです。
特に慢性疾患の管理において、投薬を継続するということは予後に大きく関わってきます。
実際に猫さんの心筋症でも投薬ができるかできないかで予後が変わるというデータもありますし
チュールを使用して投薬をすることで、投薬成功率が上がったみたいな報告もあるぐらいです。
今回のセミナーでは
普段から投薬をする時に備えて、慣れさせるためのトレーニングが紹介されておりました。
具体的には
ドライフードを使用して、一粒ずつ口に入れる練習をしたり
口や顔周りを普段から触る練習をしたり
シリンジの先っちょを切って、それでチュールやウェットフードを与える習慣をつけておくことで
実際に投薬する時も、そのチュールの中に混ぜて投薬できる確率が上がるといったトレーニング方法がありました。
あとは、目薬を使用する練習なんかも紹介されておりました。
こういった普段からの投薬練習というものをしておくことで
いざ本当に投薬が必要になった時に、ご家族のストレスを大幅に軽減することが可能になります。
また、口を触ったりする延長線上で歯磨きのトレーニングにも結びつけることができると思います。
将来的な歯周病予防のための歯磨きは人間もそうですが、犬さん・猫さんにとっても非常に大事な習慣になります。
快適な動物との生活を守るためにも、今から投薬の練習を始めてみてはいかがでしょうか。
具体的な方法がわからない方は、ぜひ病院にきて聞いてみてください。
あとは、どうしてもシャーシャーになってしまって
攻撃的になってしまう猫さんに関しては
当院でも実施しております来院前の抗不安薬の投与についても言及がありました。
色々な論文で報告もされております。
来院2時間前ぐらいに薬を飲んでいただくことで
来院時の緊張感・不安感などを軽減でき、攻撃行動を抑えることができます。
猫さんが攻撃行動に出てしまうことは
猫さん自身にとっても飼い主様にとっても動物病院スタッフにとっても良いことはありません。
この来院前投薬を実施することで、かなりストレスフリーで検査ができたりします。
ストレスフリーでの検査は、病気の発見率を向上させる効果もあるのではないか?と個人的には考えています。
比較的安全に使用することのできる薬剤になるので
投薬に抵抗のない方は、ぜひ来院前抗不安薬を実施した上での健康診断をお勧めします。
というわけで、今回は
猫さんにとってのストレスを少なくするため動物病院として何ができるのか?みたいな感じのテーマでありました。
何かご質問などございましたら、ぜひ当院までお越しいただければと思います。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。