犬の僧帽弁閉鎖不全症
こんばんは。大山です。
先週、5日間にわたってVeterinary Cardio Night LIVE 2022という
循環器のイベントがありました。
全部で3000人以上の人が参加したらしいです。
結構な人数ですよね。
今回のイベントの前半が犬さんの僧帽弁閉鎖不全症、後半が猫さんの不整脈についてだったので
今日はワンちゃんの僧帽弁閉鎖不全症についてでも。
このブログでも何度か登場していますが
わんちゃんの循環器疾患(心臓病)の中でも
遭遇する確率が最も多いのがこの僧帽弁閉鎖不全症です。
特に、日本には小型犬を飼育されている方が多いので仕方がないのかもしれません。
キャバリアさん、チワワさん、マルチーズさんなどはその割合が高くなります。
今回のセミナーの中では
一般的なガイドラインに沿った内容プラスで
その先生方独自のやり方みたいなのもいくつか述べられておりました。
僕の師匠である循環器認定医もよく言っておりましたが
循環器内科というものには答えがない境地みたいなものがあります。
人間みたいに全員が全員、僧帽弁の外科的な手術を受けることができない以上
内科管理でどうにか寿命を全うすることができれば、勝ちなわけです。
その勝ちまでの道筋はその先生方によって違うというわけであります。
一般的にガイドラインや教科書に載っている内科管理だけで
肺水腫になった子を急性期から離脱させて
その後、寿命を全うさせるのはなかなか難しいと思います。
ガイドラインは三流を二流にしますが、一流も二流にします。
それに沿うだけでは、プラスαの予後というものは得られません。
今回のセミナーは、そんなプラスαの内容が含まれた講演でした。
僕自身の考え方とはやや異なる部分もあったり
確かに、そういった考え方もありだなあと非常に勉強になることもあったり
当院の循環器診療にも少し加えていこうかと思います。
色々な先生の様々な治療方法に触れることは
既知の方法に新しい発見を生んだりすることもあります。
そうやって少しずつかもしれませんが、同じ薬を使うにしても
徐々にやり方が洗練されていくのでしょう。
自分のやり方に自信を持つことは大事なのかもしれませんが
正直、あと何十年とこの仕事をやっていても自信満々になる気がしません笑
何においても自信満々な人をたまに見かけたりもしますが
ただ知らなかったり、経験がなかったりするだけのことが多いような気がします。
そういうやり方だと成長は止まってしまいますので
ずっとずっと成長していくためにも
他者のやり方を否定せず、謙虚な姿勢で仕事を続けたいなと思います。
今日はこの辺りで失礼いたします。
それでは。