犬さんの避妊手術と子宮疾患
こんばんは。大山です。
ここ1ヶ月ぐらいで、子宮疾患により手術となる患者様が重なっています。
その前を振り返ると、たまたまだとは思いますが1年近くそういった子達の来院機会がなかったので
若い頃に避妊手術をされる犬さんが増えたからかなあと思っておりました。
それが、ここ一ヶ月ぐらいで5件ほど
単純に子宮の中に水みたいなものが溜まる子宮水腫の子もいれば
中には細菌と膿が溜まった子宮蓄膿症の状態となり、子宮が破裂した子もおりました。
避妊手術を実施していないわんちゃんが
子宮疾患に罹患する確率はおよそ20〜25%ぐらいと書いておりましたが
動物病院で仕事をしていると、実際はもっと数字が高いような気もしています。
もちろん、病気になった子が訪れる場所が動物病院でありますのでバイアスはかかっているのでしょうが
実際はもう少し多いような印象を受けます。
事実、去勢手術や避妊手術をしている犬さん・猫さんの方が平均寿命は伸びることはわかっています。
超高齢な犬さん・猫さんで去勢・避妊をしていない子ってあまり見かけないですしね。
いやいや、うちの子は手術してなかったけど18歳まで元気で暮らしていたよ、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
あくまで統計上の話でありますので
手術していたからといって若くして亡くなる子もいらっしゃるでしょうし
手術をしてないからといって長生きできないというわけではございません。
あくまで確率の話です。
子宮疾患や乳腺腫瘍の発生率が以前と比較して格段に減っているのも
犬さんに避妊手術を実施するご家庭が増えた結果だと思います。
もちろん、手術をどうされるかはそのご家庭の自由だと思いますし
強制的に手術をするものでもないとは思います。
ただ、手術をすることで防ぐことのできる疾患があって
かつ、寿命も伸びることがわかっているので
当院としましては、去勢手術・避妊手術に関しては推奨する立場を取らせていただいています。
全身麻酔が心配・健康な子に手術をするのも心配、などのお声もあるかと思いますので
どうしても手術に対して不安を拭えない方に関しましては、一度相談に来ていただいても良いかと思います。
最近は、当院も去勢手術・避妊手術が初めての来院となる患者様もかなり増えてきましたし
わざわざ遠方から避妊手術のために当院に来ていただいた方もいらっしゃいます。
確かに、ワクチンやフィラリア予防とは違って
去勢手術や避妊手術は一生に一回のイベントです。
それなら全身麻酔に力を入れていて、痛みをより少なくしてくれる動物病院で手術をしてもらおう、という考え方になるのも
自然な流れなのかもしれません。
可能な限り、そのご期待に応えられるようにこれからもより良いやり方を模索し続けたいと思います。
それでは今日はこのへんで失礼いたします。
犬さん・猫さんの去勢手術・避妊手術でお悩みの方は
ぜひ一度お話だけでも聞きに来てください。