7月23日 土曜日の診察時間です。健康診断について。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
7月23日 土曜日の診察時間です。
午前中 9時30分 から 12時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
7月に入ってから
何の因果か、腫瘍の診察をさせていただくケースが増えています。
触診でリンパ節の腫大がわかり多中心型リンパ腫が見つかるケース。
ここ数週間の体重が気になるとのことで、お腹を触ると大きな腫瘍が触知されるケース。
尿の量が増えたような気がすると、腹部超音波検査をしてみると膀胱に腫瘍が見つかるケース。
別件の麻酔前検査の超音波検査の際に、腹腔内に腫瘍が見つかるケース。
やはり中年齢(犬さん・猫さんだと7歳ぐらいでしょうか)以降になると
色々と病気を持つ確率が高くなるように感じます。
当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが
大体の疾患において、始めのうちは症状が明らかでない場合も多いです。
いざ症状が出た時にはすでに疾患がある程度進行している場合も少なくありません。
先ほどの例に挙げた膀胱に腫瘍性病変が見つかった子のケースの場合
飼い主様の中に健康診断をしようという想いがなかったわけではございません。
むしろ、二ヶ月前に血液検査を別の病院さんでされておりました。
こういったケースが血液検査の限界であり
年に一回血液検査さえしておけば大丈夫とは言えない、具体的な例なのだと思います。
別に血液検査がダメだと言っているのではありません。
血液検査でわかることと、レントゲン検査でわかることと、超音波検査でわかることは
全然違うということです。
血液検査では腎臓の数値が高いかどうか、肝臓の数値が高いかどうかはわかるかもしれませんが
何で腎臓の数値が高いのか?何で肝臓の数値が高いのか?は教えてくれないことが多いです。
基本的に、検査というのは、これだけやっておけば大丈夫!なんていうものはありません。
それぞれの検査に得意な点・不得意な点があり
お互いがお互いを補完し合うことで病気の診断へと繋がります。
じゃあ、何で健康診断の時に血液検査をするの?と疑問に思うわけですが
それは単純に一番手っ取り早くでき、かつそれなりの情報量が得られるからではないかと思います。
人間でもそうですよね?
人間ドックにも色々とコースがあるかと思います。
簡単な健康診断ですと
血液検査の一般的な項目と血圧測定、尿検査、胸部レントゲン検査なんかが
一般的な感じになっているかと思います。
手軽な健康診断で超音波検査までやるケースは多くないように思います。
逆に、CTやMRI検査までやるようなスペシャルコースの健康診断なんかも
人間の場合は存在するわけで
脳ドックなんかもありますもんね。
どこまでやるかはその人によるかと思いますし
動物と同様に、簡単な健康診断だけでは診断できない疾患もあると思います。
動物の場合、人間と少し違うのは
CTやMRI、内視鏡などを実施しようと思うと
どうしても全身麻酔をセットに考えなければいけなくなるため
健康診断で麻酔をかけるのか?という疑問が出てきてしまうということです。
個人的には
健康診断時に必要なら全身麻酔をかけるケースも
そう遠くない未来に増えてくるとは考えているのです。
が、どうしても『全身麻酔は怖い』という考え方が、現在の日本では主流を占めているとは思うので
増えてきたとしても多数派を占めるようになるのは、まだまだ先のことだと思います。
なんか最初に書こうと思っていたことと、だんだん主旨がズレてきておりますが
僕が伝えておきたいことと言いますか
最近特に実感することとしまして・・・
中年齢以降の犬さん・猫さんは特に
レントゲン検査や超音波検査などの画像検査も含めた健康診断というものを
積極的に検討する方が良いのではないかなあ、ということです。
次に出てくる疑問として
じゃあ、どのくらいの頻度でやるのがいいの?って話になるかと思いますし
これも前にも書いたかもしれないですが
診察の中でもよく聞かれる疑問です。
一年に一回でいいのか?半年に一回?それとも三ヶ月に一回?
難しいですよね。
例えば、今年の7月に健康診断をして何もなく健康でした。
ですが、8月に何らかの病気が始まって
症状が出てくるのが10月ぐらいになってきました。
見つかって時には結構進行していました。
という場合だってあると思うんです。
7月に全身の健康診断してたのにー、ってなりますよね。
このケースだと一年に一回だろうと半年に一回だろうと、見つけられないのは同じなわけです。
いや、そんなこと言い出したらキリないやん!となるわけですが
そうなんです、キリないんですよね。
結局、どのくらい完璧を目指すのか?というところで
どこかで折り合いをつけないといけないわけです。
半年に一回やってても見つけられなかったんだから、しょうがないでしょう、と考えるか
もっと短いスパンで見ておけば良かったと後悔するのか、は人それぞれだと思います。
人間のおよそ4倍のスピードで歳を重ねていく犬さん・猫さんであり
かつ、自分の体調不良を言葉で伝えることのできない点が
そういった難しさを生む一つの原因なのだと思います。
結局正解はないと僕は思うのですが
全身の健康診断とかまではしないまでも
月に一回動物病院を訪れて、体重測定・身体検査をしたり
日常の中で気になることを獣医師に相談するなど
(水を飲む量や尿量が増えたとか、トイレじゃないところで粗相をするとか、吐く頻度が多いとか)
そういった何気ない会話の中に病気のヒントが隠れていたりすることも少なくありません。
月一回病院に行くのは少し手間かもしれませんが
健康診断みたいに費用がかかることでもないですし
診察料だけで済むのであれば、意外に費用対効果は高いのではないかと思うのです。
当院の場合、画像検査まで含めた全身の健康診断に関しては
完全予約制でさせていただいております。
じっくり時間をかけて診ていくとどうしても一日一件もしくは二件が限界です。
診察時間内にパッとやることはできないのです。すみません。
ご興味のある方は、健康診断について一度ご相談に来ていただいても構いません。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
こんばんは、先月はお世話になりました。
処方頂いたサプリのお陰で大分落ち着いてきました。有難う御座います。
この前お伺いした時に健康診断について少しお聞きしましたがうちの子はご覧の通り臆病で騒がしくしてしまって大人しく検査させてくれるかは分からないのですがそういう子でも健康診断は受けれますか?
秋頃に一度受けさせたいなと考えているのですがどうかなと思いまして…。
もし大丈夫な様でしたらまたどういう検査内容があるとかおススメとか色々お聞きしたいです。
次回の歯の健診も宜しくお願いします。
>マ様
コメントありがとうございます。
動物病院という慣れない環境である以上、どうしても過度に緊張してしまう子は一定数いらっしゃいます。
そういった子に関しては、来院前にご自宅で鎮静薬の投薬を勧める場合もございます。
抗不安効果もあるため、本人もリラックスをして検査に臨めるのがメリットかと思います。
また来院していただいた際に、再度ご説明させてください。
よろしくお願いいたします。