7月21日 木曜日の診察時間について。犬さんの僧帽弁閉鎖不全症について。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
7月21日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 17時 から 20時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
昨日のブログで、犬さんの僧帽弁閉鎖不全症のステージ分類の話が出たので
もう少しきちんと書いておこうと思います。
ACVIMというアメリカの内科学会がありまして
そこで作成された国際的なガイドラインがこれになります。
僧帽弁閉鎖不全症をきちんと表現すると
粘液腫様僧帽弁僧帽弁疾患(MMVD)と言います。
左心房と左心室を隔てている僧帽弁という弁がゼリーみたいな変化をきたし、きちんと閉鎖しなくなる疾患です。
昨日言っていたステージAというものには
現時点では心臓に構造的な変化はないけど、心疾患を発症するリスクが高いわんちゃんが入ります。
CKCSというのはキャバリアキングチャールズスパニエルを指しているので
キャバリアさんは基本的にステージAということになります。
チワワさんやマルチーズさんも同様です。
ステージB以降は、いわゆる心雑音が認められるわんちゃんを指しており
B1は雑音はあるけど、心臓が大きくなってきてない子達になりますので、治療介入が必要ありません。
B2以降になると、心臓の拡大を認めますので
治療介入を検討する必要が出てきます。
なので、これからわかるように
心雑音があるというだけで、薬を処方されている場面に遭遇する場面もありますが
あれは間違いですので、マジでやめて下さい。
ちゃんとレントゲン検査、心エコー検査をやってから薬は出すのがちゃんとした医療です。
他の病院の批判をSNSでするな、とか言われてもそんなこと知りません。
不快な人は読まなければいいだけだと僕は思いますし
間違いは間違いなので、ダメですというちゃんと周知していかないと
わんちゃんとそのご家族が苦しむことになるだけです。
僕はきちんとそういう方々が苦しむのを見るのは嫌なので
ちゃんと書くことに決めました。
なので、書かせていただきます。
話が飛びましたが、戻りまして
ステージC以降は心不全症状を呈したかどうか、になります。
簡単に言うと、僧帽弁閉鎖不全症の場合の多くは
肺水腫になったかどうか?みたいな感じでしょうか。
ステージDはいわゆる難治性と言われるステージになります。
ガイドラインに書いてある感じだとこんな感じです↓
ただ、この基準に当てはめてしまうと
当院に通っていただいている僧帽弁閉鎖不全症のわんちゃんの多くがこのステージDに当てはまることになってしまうわけで
そうすると数ヶ月で亡くなってしまうのか?となるのですが
実際は年単位で頑張ってくれている子も多いんです。
ガイドラインは、三流を二流にするけど、一流も二流にすると揶揄されたりします。
あくまで方向性を示してくれますが
個々の症例に対しての細かい薬の出し方、モニタリングの仕方、その都度の対処法などは教えてくれません。
こればかりは循環器内科を専門的にやっている獣医師の元で働いた経験がないと
なかなか言葉では言い表せないものがあるように感じています。
最近は、循環器外科の方が大々的に取り上げられることも多くなりましたし
循環器学会の発表でも循環器外科の症例報告が多いのは事実ですが
日本には公には発表できないような
ものすごい治療をされている循環器内科の先生方がいらっしゃいます。
その方々の循環器診療のやり方・薬の処方の仕方は
決して普通の獣医師に真似できるようなものではないように思います。
僕個人としては
幼稚な表現方法を敢えてするのであれば
そういった、すげー治療を見る機会・体感する機会・聞ける機会に恵まれていたこともあってか
それなりに体現できるものになってきているように感じています。
まだまだ超一流の循環器内科の先生方には及びませんが、それなりにできる自負はありますし
僧帽弁閉鎖不全症のステージC・Dの子の内科的な管理は
ある意味では当院の一つの売りかもしれません。
循環器疾患についてお悩みの方は
ぜひ一度相談に来ていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。