6月20日月曜日の診察時間です。犬さん・猫さんのワクチン接種頻度と抗体価測定について。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
6月20日 月曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 17時 から 20時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
最近、『ワクチンは3年に1回の接種で良くなったって聞いたんですけど』という問い合わせが多いので
今日はそれについてでも書いていこうかと思います。
ワクチン接種に関しては
WSAVAのワクチネーションガイドラインという国際的なものが存在します↓
https://wsava.org/wp-content/uploads/2020/01/WSAVA-vaccination-guidelines-2015-Japanese.pdf
ご興味のある方は読んでみてください。
ここに書いてあることを基準として、その子に合わせて考えていくのが良いものと思われます。
なので、読んでいただいたらそれでいいのかもしれませんが
長々と書かれていて読むのも面倒という方は、以下の文章を参考にしていただければと思います。
まずは猫ちゃんについて。
基本的に屋内で飼育されている方がほとんどだと思いますので、屋内飼育の子について書かせていただきます。
屋内飼育の猫さんの場合
混合ワクチンとして接種が推奨されているコアワクチンは3種類です。
猫汎白血球減少症、猫カリシウイルス感染症、猫ヘルペスウイルス感染症ですね。
これらが混合された3種混合ワクチンが一番良く接種されているものかと思います。
問題はこれらを何年に一回接種するのか?ということですね。
WSAVAのガイドラインでは3年に1回が推奨されております。
ただし、ワクチン接種により得られる抗体というものは
その個体によって多少の個体差があることが予想されます。
盲目的に、みんながみんな3年に1回にするのは不安が残ります。
そこで、血液中の抗体価を測定することにより、その感染症に対する防御能があるのかどうなのかを見極めます。
その結果、抗体価が十分であればその年の接種を見送ることとし
抗体価が不十分であれば接種をするという考え方で良いのかと思います。
ただし、問題点があるとすれば
猫ちゃんの抗体価測定の検査とワクチン接種の費用を比較した時に
どうしても抗体価検査の方が高くなってしまうということ
抗体価が不十分な場合に、結局ワクチンを接種しなければならないため二度手間になってしまうこと、が挙げられます。
これらを行った上で
ワクチン接種の回数を減らすことにメリットを見出す方は、抗体価検査を積極的に利用すれば良いかと思いますし
デメリットの方が大きいと考えられる方は、今まで通り毎年接種するという方を選択されるかもしれません。
猫ちゃんに関してはそんな感じです。
次にわんちゃんについてですが
犬さんについては少しややこしくなります。
まず、狂犬病のワクチン接種に関しては法的に義務付けられておりますので
これは必ず年に一度接種してください。
混合ワクチンについてですが
犬さんの場合、コアワクチンの接種とノンコアワクチンの接種に大きく分かれます。
わんちゃんの場合のコアワクチンに含まれるものとして
犬ジステンパー、アデノウイルス感染症、犬パルボウイルス感染症があります。
このコアワクチンだけに着目するのであれば
猫さんと同じ考え方で良いと思われます。
抗体価を測定して、高ければその年は見送りで、また翌年に抗体価をチェックして
結果的に3年に1回ぐらいにしましょう、という考え方です。
一方、犬さんが混合ワクチンとして接種されている5種や6種の中に含まれている
パラインフルエンザウイルス感染症はノンコアワクチンに分類されます。
一般的にノンコアワクチンは、1年に1回の接種が推奨されております。
また、静岡県が全国的にも発生件数報告の多いレプトスピラ感染症。
こちらもノンコアワクチンに分類されます。
ノンコアワクチンに含まれる感染症についてはこちらを参考にしていただければと思います↓
https://www.kyoritsuseiyaku.co.jp/owner/knowledge/disease/dog3.html
パラインフルエンザウイルス感染症は、単独ではそこまで重篤な症状を引き起こすことは多くないかと思われますが
多頭飼育の犬さん(特に免疫力が十分でないであろう子犬さんや老齢の子)や
他の犬さんとの接触機会が多いわんちゃんについては接種する方が良いかもしれません。
レプトスピラ感染症に関しては、ネズミなどの野生動物が感染源とされているため
川などにキャンプに行くご家庭などは積極的に予防される方が良いと思われます(特に静岡県の方は)。
これらのパラインフルエンザウイルス感染症やレプトスピラ感染症に関しては
予防を考えるのであれば、1年に1回のワクチン接種が推奨されておりますので
結局毎年接種することになります。
もちろん、コアワクチンは抗体価を測定して打つかどうかを検討して
ノンコアワクチンだけを混合ワクチンではなく、単味ワクチンとして接種するということも
ご費用の面や煩雑性を許容していただけるのであれば良いかと思います。
わんちゃんに関しては概ねこのような感じです。
結局は、そのご家庭とその子の生活環境に合わせて
どういったワクチン接種のやり方でいくのかを相談させていただくのが一番かと思います。
ワクチン接種に関しまして、何かご不明点のある方は
ご気軽に病院までお越しください。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。