5月25日水曜日の診察時間です。セカンドオピニオンに関してもご気軽に相談ください。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
5月25日 水曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 17時 から 20時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
Dogs with biliary rupture based on ultrasound findings may have normal total serum bilirubin values.
という文献が2021年に発表されました。
超音波検査において、胆道破裂を認めた犬さんでも
血液中のビリルビン濃度が正常(黄疸が出ない)な可能性もある、という報告です。
この文献のアブストラクトがこちら↓
The absence of hyperbilirubinemia can lead to decreased suspicion of biliary rupture in dogs. This delay of suspicion and treatment can result in increased mortality rates. The objective of this retrospective, observational study was to describe ultrasound and serum bilirubin findings in a group of dogs with an ultrasonographic diagnosis of suspected biliary rupture. The records of a single institution were searched over the period of 2007-2019 for cases having ultrasound reports describing suspicion of biliary rupture. Clinical findings for each of the cases were recorded. A total of 35 dogs met inclusion criteria and, of these, 30 dogs had confirmed ruptured biliary tracts. It was found that 40% (12/30) of dogs with confirmed ruptured biliary tracts had a serum bilirubin values within the normal reference range. No statistical difference was found in serum bilirubin values between the ruptured and nonruptured biliary tracts. Leukocytosis and neutrophilia were found to be statistically significant between ruptured and nonruptured biliary tracts. Mucinous material, similar to “white bile” found in human literature, was found within the peritoneal effusion of six dogs with biliary rupture, three of which also lacked bile pigment. Findings from this study indicated that normobilirubinemia may be present in some dogs with biliary rupture, and therefore should not be used as a reason for excluding this differential diagnosis.
この研究の目的は、超音波検査で胆道破裂が疑われた犬さんの
超音波所見と血清ビリルビン濃度を調査することでした。
何でこんな研究が出てくるかというとですね。
胆嚢とか胆管が破裂していたら、当然黄疸が出るでしょ!と考える人が多いせいで
逆に黄疸が出ていなかったら、破裂はないのかなと鑑別疾患の順位を下げてしまうというリスクを孕んでいるからです。
胆嚢破裂があるかも?と考えて対応するのと
破裂はないだろうな、という考えで対応するのとでは
初期対応に違いが出てくる可能性がありますし
治療が遅れてしまい、結果的に死亡率が上昇するリスクがあります。
この研究の結論は
最終的に胆道破裂が確認された症例の40%で正常なビリルビン濃度だったということでした。
黄疸のあるなしだけで、破裂のあるなしを判断してはいけないということですね。
ただ、これは超音波検査も同様でして
超音波検査上、破裂と判断した症例のなかにも
破裂をしていなかった症例が少数含まれていたと、本研究の中では述べられています。
逆に、超音波検査上破裂は疑われなかったけど
最終的に破裂だと診断されることもあるという別の報告もあります。
重要なのは、一つの検査結果所見で決めるのではなく
臨床症状、血清ビリルビン濃度、超音波検査、腹水性状などなど
複数の検査結果を総合して最終診断へと結びつけることだと思います。
と、こんな感じでたまには学術的なことも書かないと
こいつ何も勉強してないかなとかなりかねないので、たまには書いてみました。
何かお題をいただけると学術的なことも書いていきますので
こういうことについて聞きたいよ、とかあれば教えてください。
今日、望月と来年の計画について話していたのですが
来年もまたギリギリな綱渡り状態が続きそうな感じです。
いつになったら当院は安定するんだろう、とか思いますが
安定を求め出したら、進化するスピードは一気に遅くなってしまうのかもしれません。
ギリギリ潰れるか潰れないかぐらいで病院を続けていくことが
最大限のパフォーマンスを発揮したり、飼い主様の満足度を最大限に上げることに繋がっている節はあるのかなとも思います。
そっちの方が楽しいでしょ?と今日望月に言われました。
確かに、安定した環境よりはハラハラドキドキする環境の方が楽しいと思えます。
いつ潰れるかわからないような動物病院を絶対に潰さないで大きくしていこうとするから面白いんだと思います。
だから必死になれるんだと思いますし、患者様も信頼してくださるんだと思っています。
事実、この2年間で嘘みたいに当院は変わりました。
もしかしたら患者様側からすればあまり変化が感じられないかもしれませんが
僕からすると、静岡に来た当初の絶望的な状況と今とは全く異なる動物病院です。
もちろんまだまだ進化し続けるつもりですが
2年間でこれだけのことができるなら
もっともっと強くなっていけるだろうという確信はあります。
絶え間ない努力を続けながら、ほんの少しの運に恵まれることを期待しつつ
これからも走り続けたいと思います。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。
いつもありがとうございます。
一昨日、先生方に犬さんの避妊手術をして頂いた知人から、私にまで感謝のお電話がありましたことをご報告致します!
飼い主側としては、心配で不安で、いろいろネット検索して、尚不安に陥る負のスパイラル…
ですが、それが一瞬で払拭されたそうです。
エリカラも無ければ、術後の服も無い、散歩OK、普段通りの生活で…なんてネットには出てませんもの。
健康な便も出た!と、喜んでらっしゃいました。
学術的な難しいことはわかりませんが、病院のこの数年のことなら少しわかります。
先生・看護師さんたちの、患者さんたちに対するスタンスは、あくまでも平等で、知識は最先端、私のような飼い主より犬猫想い度が大きい…
それ故にずいぶんご無理をされてるんじゃないかと、そちらの心配をしてしまいます。
先生方に何かあったら…と。
これからもたくさんの小さな命に、寄り添って頂けたらありがたいですし、病院のますますの発展もお祈りしています。
思い付いたことを書いてしまいました、すみません…
>平井様
嬉しいご報告をしていただきありがとうございます!!
手術をしたその日の夜からご飯もしっかり食べてくださって
術後の経過としてはすごく良好でした。
すごく可愛かったので、手術をした後にはスタッフと一緒に遊んだりもしておりました。
喜んでいただきよかったです。
そういった嬉しいご意見をいただけることが
僕たちにとっては何よりの励みになりますし、頑張ろうというモチベーションに繋がります。
ご心配をおかけしてしまい申し訳ありませんが、まだまだ頑張りたいと思います。
もちろん身体を壊しては元も子もないので、壊れる直前の状態までということでお許しください笑
こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。
嬉しいお言葉をいただき本当にありがとうございました。