ファモチジン・ガスターの話
今日、業者さんからわざわざ連絡がありました。
ファモチジンの出荷調整がかかっているそうで
大丈夫そうでしょうか、というご心配のお電話でした。
うちはファモチジンを使用する機会がほとんどなくなったので全然困らないんですけど
確かに、新卒の時とか
嘔吐症例には基本的にガスターとプリンペラン、みたいな感じのルーチンでやってたなあと思い出しました。
ファモチジンは胃酸の分泌を抑える目的で使用されるH2ブロッカーでありますが
胃酸を抑えて胃の粘膜保護効果があると考えられ
昔は慢性腎臓病であったり、ステロイド投与時の胃粘膜保護目的であったり
色々と長期的に処方されていた過去がありました。
もしかしたら今でも長期的にファモチジンを服用されている方もいらっしゃるかもしれません。
ファモチジンの胃酸分泌抑制効果は短期的な効果しか期待できないことがわかっており
長期的な使用では胃酸分泌抑制効果は期待されないとされています。
またファモチジンが適応となる病態・疾患もほとんどないと思われ
適応となるのは、胃潰瘍や消化管出血などにはなるとは思いますが
動物で胃潰瘍病変というのは多くないことがわかっておりますし
昔ほどルーチンで使用される場面がなくなっている薬剤かと思います。
本当に胃酸の分泌を抑えたいのならプロトンポンプ阻害薬を使用しますしね。
そもそも胃酸を抑えることにリスクはないのでしょうか、と考えた時に
胃酸は食物を消化するための消化液でもありますが
外界から入ってきた細菌などを殺菌する役割も同時に果たしているとされています。
その胃酸を抑えてしまうことが
結果的に何かしらの感染症のリスクにつながるのだとしたら
無闇矢鱈なH2ブロッカー・ファモチジンの処方は避けるべきなのかもしれません。
まあ、長期的に使用しても効果があまりないのであれば
胃酸を抑える効果もない代わりにリスクもないのかもしれませんので
そんなに問題にはならないんでしょうかね。
業者さんの話では今回の件で
困っている動物病院さんもあるみたいな感じだったので
ファモチジン自体はまだそれなりに使用されていたりするんでしょうか。
無駄な薬を処方することで結果的に動物病院の売り上げは上がり
売り上げが上がるからそういう動物病院は存続できるわけですけれども
無駄に薬を処方するほうが生き残れるみたいな
そういう悪循環みたいなのがなくなれば良いなと思うのですが
なかなかシステム上、難しいんでしょうかね。。。
業者さんからの連絡を受けて、そんなことを考えておりました。
それでは、今日はこのへんで。