iCatCare慢性腎臓病ガイドライン2026について学ぼう
来週のセミナーの資料を作る過程で
iCatCareの猫さんの慢性腎臓病ガイドラインについてまとめています。
30数ページあってまあまあなボリュームにはなりますが
これはこれで勉強にはなる気がします。
どうせなら、ブログに書いていけば自分自身のアウトプットにもなるし
皆様への情報提供にもなるし
ちょうど良いかなということで、いくつかピックアップして書いていこうかと思います。
今日の項目は『慢性腎臓病の進行機序とCKD-MBD』について
CKDの進行には、腎臓内の炎症・線維化が持続して徐々にネフロンを失う経過と
反復するAKIで階段上に悪化する経過がある。
AKIが臨床的に明らかな場合はACKD(AKI-on-CKD)と呼ぶが
無症候性の障害も進行に寄与しうる。
CKDはAKIのリスク因子であり、AKIはCKDを発症・増悪させる双方向の関係がある。
ACKDの誘因には、虚血・尿管閉塞・腎盂腎炎・毒性・炎症性障害などが含まれる。
一つの研究では66%で原因が同定されなかったとされる。
なので、『腎臓の数値が悪化したことを一概にCKDの自然経過だ』と即断せずに
可逆的な追加障害がないかどうかを探索する姿勢というものが大事になります。
蛋白尿の程度、血清リン濃度上昇、FGF23上昇、貧血、尿毒素蓄積などが進行や予後と関連。
低カリウムも進行関連因子に挙げられる一方で、猫さんにおいては進行リスクとしては未確立。
低カリウムの進行・死亡リスクに関連する強い記述は主に人間の医療におけるデータであり
猫さんにおける確立した因果関係としては扱わない。
CKD-MBDは、CKDに伴うミネラル・ホルモンの異常、軟部組織石灰化、骨の変化を含む。
GFRの低下によりリンの排泄が減少し、FGF23やPTHの代償反応が起こるため
初期には血清リンが正常範囲でもリン代謝異常が存在しうる。
このガイドラインの論文の中には、CKD-MBDについての図がありまして
GFRの低下とリンの貯留、FGF23の上昇、カルシトリオールの定価
リンとCa複合体形成によるiCaの低下、PTHの上昇、骨の脱灰、軟部組織石灰化
腎臓石灰化などの関係性が示されている。
ただし、CKD猫さんの中にはiCaが高い症例も多いので、全症例でiCaが低下するわけではない。
猫さんで臨床的に注目されるのは、血清リン、FGF23、PTHの上昇と腎石灰化である。
血管の石灰化、腎性骨異栄養症、副甲状腺過形成も報告されているが、頻度は低い。
治療の中心は食事中のリンの制限であり、必要ならリン吸着剤を加える。
腎石灰化の多くは、髄質のリン酸Ca沈着である。
長く生存してから組織石灰化が出現することもあり
剖検で石灰化が少ない群の方が短命という交絡が生じうる。
その一方で、前向き研究では高Ca血症と腎臓石灰化の併発が
その後のCre、リン、FGF23上昇と関連している。
療法食を開始した後もCa、特にiCaを監視する必要がある。
長くなりましたが
CKDの進行の機序についてとCKD-MBDについての記述はこんな感じ。
こんな感じで明日も書いていきたいですね。はい。
それでは。