猫さんにおけるシスタチンCと犬猫さんにおける尿中シスタチンB
先月出たシステマティックレビュー。

この論文は
猫さんの慢性腎臓病における血清シスタチンCと
犬猫さんにおける尿中シスタチンBの有用性を検討したシステマティックレビュー・メタ解析です。
僕は測定することは基本やってないですが
血清のシスタチンCは体重の小さな犬さんで
測定している動物病院さん・獣医さんもいらっしゃると思います。
尿中シスタチンBに関しては、以前にもブログで書いたことがありますが
急性腎障害の検出や予後判定とかに有用なんでは?みたいな話の比較的新めな検査項目ですね。
血清シスタチンCは糸球体濾過量を反映するとされる機能マーカーで
クレアチニンよりも筋肉量の影響を受けにくい可能性があります。
猫さんの慢性腎臓病では血清シスタチンCが健常猫さんより平均で1.47倍高く
集団レベルでは慢性腎臓病の猫さんと健常猫さんを識別できました。
ただ、今回のレビューに含まれる猫さんの血清シスタチンCに関する解析対象は3研究のみで
研究によって結果や測定方法が一致していません。
そのため、現時点では血清シスタチンCが既存のクレアチニンやSDMAより早期診断に優れているとは
証明されておらず、あくまでも補助的な検査にとどまるんじゃないかって感じになってます。
次に尿中シスタチンBに関してですが
尿中シスタチンBは、糸球体濾過量の低下を検出するわけではなく
尿細管細胞の構造的な障害を反映する可能性のある尿中バイオマーカーです。
犬さんの急性腎障害では、尿中シスタチンBが健常犬さんより大きく上昇しましたが
これについても解析対象となった研究は2つのみで
研究間のばらつきも極めて大きいものでした。
猫さんの方を見てみると
急性腎障害群での尿中シスタチンBが特に高く
健康猫さんとの識別や30日死亡リスクの予測に役立つ可能性が示されています。
ただ、多くの研究で腎障害動物と健康動物を比較しているので
腎前性高窒素血症や慢性腎臓病とか尿管閉塞などの鑑別できるかってなったら
そこはわかっておりません。
まとめると
血清シスタチンCの臨床的な意義は限定的なのかなって感じですが
尿中シスタチンBは早期の尿細管障害を捉える検査としては
今後も注目すべきマーカーの一つです、って感じでしょうか。
尿中シスタチンBが院内測定できるようになれば素晴らしいと思うんですけどね。
アイデックスさん、なんとかCatalystで測定できるよう頑張ってくれないかな。
院内での測定が可能であれば
AKIの時とかに治療のモニタリングとしても有用な気がしますし
早期に予後判定とかもできるんじゃないかなって思うんですが
今の外注検査体制ですと
どうしても2日ぐらい時間がかかってしまうので
そこが1番ネックな点じゃないかなって個人的には考えています。
FGF23もそうですが
院内測定が可能になれば
検査の使用幅が広がる気がするんですけどね。
誰かが作ってくれることを期待したいと思います。
それでは今日はこのへんで。