慢性腎臓病猫さんにおけるクルクミンの腎保護効果
これだけではなんとも言えんかな、と思う報告ではありますが
紹介しておきます。

この研究は
IRISのステージ3の慢性腎臓病の猫さん16頭を対象に
慢性腎臓病の通常治療にクルクミンを追加する効果を検討した
前向き無作為試験になっています。
猫さんは通常治療群8頭と
クルクミンを追加した群8頭という風に分けられて
クルクミンは80mg/head/dayを1日2回に分けて
60日間経口投与されています。
ここに含まれる慢性腎臓病の通常治療というのは
腎臓病療法食、テルミサルタン、リン吸着剤、点滴、制吐剤、食欲増進剤、貧血治療が挙げられます。
テルミサルタンが入っているのは
この16頭全例でUPCが高かったことより、タンパク尿の治療として使用されたようです。
主要評価項目がSDMAになっているのが、なぜなんだろうって感じですが
SDMAの他にUPC、酸化ストレス、炎症マーカー、アポトーシス関連マーカーが測定されています。
主な結果としては
クルクミン群では、SDMAが開始時の38.5μg/dlから
60日後には27.75μg/dlまで低下し
30、45、60日目では通常治療群より有意に低値だったみたいです。
また、UPCについても0.78から0.24まで低下し
30日目以降は通常治療群より有意に低値となっています。
ただし、血清クレアチニン濃度、尿比重、リンの数値には明確な改善は認められませんでした。
これに加えて、クルクミン群では
総酸化物質量の低下、NF-κBの低下、カスパーゼ3の低下がみられ
抗酸化作用、抗炎症作用、アポトーシス抑制作用を示唆する結果となっています。
こんな感じの結果なので
正直、クルクミンが腎機能を改善させたとは言えないような気も個人的にはしています。
SDMAが主要評価項目というのが、なんとなく違和感を覚えますし
全例に尿蛋白を認めたというのも不自然な気もしますし
この16症例が通常のIRISステージ3の慢性腎臓病猫さんたちを反映しているとは言いにくいのかなと思いました。
なので個人的には
ステージ3の慢性腎臓病猫さん、みんなに良さそうっていうよりは
SDMAが結構高くて、UPCも有意に出現しているような子たちには
もしかしたら効果があるのかなあ、って感じのスタンスで見ています。
慢性腎臓病の病態がもう少し細かく分類されていくと
一部の症例にはクルクミンが効果的かも!?みたいなのがわかるのかもしれないですね。
今後の研究に期待をしたいところです。
それでは。