NHE3阻害薬による腸管からのリン吸収阻害
明後日のセミナーの準備の中で
腎臓病療法食とCKD-MBDについてのスライドを作っています。
資料を作るならちゃんとやろうってことで
改めて、慢性腎臓病における骨ミネラル代謝異常、すなわちCKD-MBDについて勉強しています。
そんなこんなで調べていたら
人間の方での日本透析医学会のCKD-MBDに関するガイドラインが昨年改訂されておりました↓

ご興味のある方はネット上に落ちておりますので
よろしければご覧になってください。
そこには2024年2月に発売されたテナパノル(商品名:フォゼベル)についての記述もありまして
人間の方では、そういうお薬もあるのかあ、と新しく知った次第であります。
テナパノル塩酸塩は
ヒトでは、透析中の慢性腎臓病患者さんにおける高リン血症の改善が適応みたいで
作用機序としては
消化管上皮に存在するNHE3を阻害するお薬だそうで
簡単に書くと、消化管からのリン吸収を低下させる薬剤だそうです。
犬猫さんでの高リン血症への対応は
食事性のリン制限もしくはリン吸着剤なので
全く別の機序の薬剤ということになりますね。
ただ、犬猫さんでの使用に関しましては
調べた限りですとデータはなく
犬さんにおける安全性試験のデータしか見つけられませんでした。
なので、実際に慢性腎臓病の犬猫さんに使用した際に
血中のリン濃度がどうなるのか、とか
高リン血症に本当に効果があるのかに関しましては定かではありません。
今後、犬猫さんにおいても
同じようなリンの吸収を抑えるような薬剤などが登場したり
既存の人体薬の動物への使用についてのデータなどが出てくると
慢性腎臓病の高リン血症に対する選択肢が広がるんですけどね。
今のところはそこに期待するしかありません。
そんなわけで、今日は
人間の方にはそういう薬もあるらしいですよ、というお話しでした。
それでは。