蛋白漏出性腎症の犬さんにクロラムブシル?
二、三週間前が初めてになりますが
かなりの量のタンパク尿が出ている犬さんを今診察させていただいておりまして
タンパク尿が腎臓からかなりの量漏出してしまっている影響で
血液中のアルブミンの低下も認められます。
とりあえず試行錯誤で内服を処方させていただいて
全身状態は改善しているので、一定の満足度は得られているようには思うのですが
アルブミンがなかなか上がらないことに苦慮しております。
で、いろいろ調べていたら出てきたのがこちらの報告↓

免疫介在性疑いの蛋白漏出性腎症の犬さんに対して
クロラムブシルを使用してみたら、なかなかよかったです、的な報告なんですけど。
この報告の中では、腎生検は実施されておらず
あくまで免疫介在性のものと仮定して、投薬に踏み切っているみたいなんですね。
なので、タンパク尿に対する既存の治療方法を実施しても改善せず
腎数値が徐々に上がってきました、みたいな症例に試験的に免疫抑制剤であるクロラムブシルを投与した
そういう報告になっています。
やはりアルブミンが重度に低下している状態ですと
血栓塞栓症のリスクもありますし
症例の状態にもよりますが、全身麻酔にもそれなりのリスクを伴い
腎生検を躊躇ってしまう気持ちはすごくわかるので
そういった事情が本研究にもあったのかもしれません。
学術的なことを考えれば
本当は免疫介在性だということを腎臓の組織検査によって確定すべきなのだとは思いますが
ある意味、実際の臨床現場に即してくれているようにも思うので
致し方ない時は、こういった治療選択もありなのかなと考えさせてくれる報告だなと僕は思いました。
あまりにも治療反応性が悪く
免疫介在性の可能性も疑われるような蛋白漏出性腎症の場合は
クロラムブシルの投与を検討しても良いのかもしれません。
ご参考になりましたら幸いです。
それでは。
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著者情報
獣医師 大山達也/みなとまちアニマルクリニック 院長
所属学会:日本獣医腎泌尿器学会、日本獣医循環器学会、日本獣医麻酔外科学会
認定医資格:動物麻酔基礎技能認定医、日本獣医腎泌尿器学会認定医
犬猫さんの腎泌尿器疾患・循環器疾患・麻酔・周術期管理を中心に診療しています。
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