獣医腎泌尿器学会認定医試験のお勉強②
まさか、この企画が2日連続続くなんて誰も思わなかったと思うので
とりあえず期待を裏切りたい一心で
昨日の続きを書いていこうかと思います。
面白くない方はほんとごめんなさい。
代わりにと言ってはなんですが
僕が診察終わってから1人で録画した尿蛋白についての動画が昨日アップされましたので
そちらでも見ておいてください。
こんな感じで、簡単なセミナーみたいなんを
ペットウェルネスラボのyoutubeでもyoutubeライブでやろうかなと勝手に考えているのですが
◯月◯日やります!って告知すれば、10人ぐらい来てくださいますかね?
まあ、誰も来なかったとしても、こうやって動画に残るので
スタッフ向けの教育動画としては一定の意味はあるのかな、と考えております。
最近は『成長できる動物病院』というのが求職者の方から求められる要素だよ、みたいな話を
先日のセミナーでもされておりましたので
一緒に働いてくれるスタッフが一緒に成長できるような
そんなコンテンツを残していきたいという目論見のついでな感じではありますが
よろしければ皆様のご意見をお聞かせください。
話がそれましたが、昨日の続きですね。
今日は尿細管機能についてまとめていきます。
尿細管の主な機能は『再吸収と分泌』です。
昨日書いた糸球体で濾過された濾過液の中にも有用な物質というものが存在するので
そのままだと尿として排泄されてしまうので
有用な物質を尿細管の中から吸収することを再吸収と呼び
これは能動輸送と受動輸送の2パターンあります。
一方で、分泌は
血液や細胞内液から物質を尿細管の中へと排出することを指しますが
この分泌はすべて能動輸送になります。
さっきから、能動輸送と受動輸送ってなんやねん、って話になりますが
中学か高校かの生物の授業で習ったかと思います。
簡単にいうと、物質を輸送するのにエネルギーを必要とするか否かって話です。
勉強もそうですが
能動的に行動することはなかなかエネルギーのいるものだと思いますので
能動輸送がエネルギーのいる方と覚えておいてください。
ここからは尿細管で再吸収される代表的なものを書いていきたいと思います。
具体的に挙げると、水、電解質、グルコース、アミノ酸といった感じ。
まずは水の再吸収について。
基本的に溶質が尿細管の周囲の間質液に移動すると、間質液の浸透圧は上昇します。
結果として、間質液の高い浸透圧によって水は近位尿細管腔から間質液と拡散します。
最終的に水は糸球体から濾過された原尿の99%が再吸収され
その結果、尿細管の中の濃縮が進み、浸透圧は上昇します。
次に、グルコース(ブドウ糖)とアミノ酸の再吸収です。
グルコースとアミノ酸はNaイオン共輸送によって尿細管からほとんど再吸収されます。
つまりは、ナトリウムイオンと結合することによって細胞内への移動が可能となるのですが
このナトリウムイオンが電気的な勾配にしたがって尿細管上皮細胞へと移動するので
一緒にグルコースやアミノ酸も細胞内に運ばれるわけですね。
細胞内に移動した後は、ナトリウムイオンはグルコースやアミノ酸とは離れます。
こうやってグルコースやアミノ酸の再吸収が行われるわけですが
皆様はファンコーニ症候群ってご存知でしょうか?
人間にもあるこの病気。
わんちゃんではバセンジーさんがもっとも一般的に罹患しやすい犬種とされています。
このファンコーニ症候群は、先程の近位尿細管での再吸収能の欠陥が原因となる症候群でありまして
結果として、グルコースやアミノ酸、リン酸など色々なものを再吸収できないせいで
尿検査によって糖尿やリン酸尿、汎アミノ酸尿などが検出されることを特徴とする症候群です。
この症候群は、遺伝的な先天性のものと後天性のものがあるとされておりまして
最近だと、中国産のチキン・ジャーキーを食べたわんちゃんで
後天性のファンコーニ症候群の症例が多く確認されています。
猫さんだと後天性のファンコーニ症候群は
消化器型リンパ腫または炎症性腸疾患の治療を受けている猫さんで報告されており
その子たちはすべてクロラムブシルの治療を受けていたそうで
尿検査ではアミノ酸と糖が確認されたけど
クロラムブシルを休薬したら、75%の猫さんで糖尿が消失したと報告されています。
すみません。
尿細管でのグルコースとアミノ酸の再吸収の話からファンコーニ症候群の話に飛んだせいで
無駄に長くなってしまったので
全然終わらないですが
とりあえず電解質の再吸収をここから書いてしまうと
また一段と長くなりそうなので、今日は一旦このぐらいにしておきます。
続きは、明日か明後日か。そのへんで書きたいと思います。
それでは。