僧帽弁閉鎖不全症と診断された咳を主訴とした犬さんの話
三週間前ぐらいにセカンドオピニオンで来院された犬さんは
咳を主訴に来院されました。
今月に入ってから、咳が増えてきたので他院を受診。
僧帽弁閉鎖不全症と診断されたそうですが
なぜか気管支炎の薬と言われ、白い粉薬を処方されました。
薬の名前や詳細は不明、というそんな感じありました。
身体検査上、明らかに心雑音がありました。
段階でい言うとLevine 3/6ぐらいでしょうか。
咳が起こる時
循環器疾患による心臓拡大による咳か
呼吸器疾患に起因する咳か
どちらかのことが多いです、と説明させていただきますが
この子の場合は、身体検査から心疾患からきている可能性も十分に考えられたので
多少重複する部分もあったかとは思いますが
胸部のレントゲン検査と、心臓の超音波検査をさせていただきました。
結果として
レントゲンにてVHSは10.6v
エコー検査にて、La/Aoは1.8ぐらい、LVIDDnも1.82と
ACVIMのステージ分類でいうところのB2の後半
EPICでのピモベンダンの投薬基準というものを完全に満たしておりましたので
今までのよくわからないお薬は一旦休薬とさせていただき
ピモベンダンのみで二週間ぐらい経過を見させていただくことにしました。
その二週間後
咳症状も減少し
なんなら食欲が以前よりも増加。体重も増えておりました。
ご家族様曰く、どうやら食欲が落ちていたということが
投薬をして初めてわかったということでした。
身体検査上も、初診時よりは心拍数が落ち着いており
エコーを再度見させてもらったところ
いずれのパラメータもかなり良くなっておりました。
ピモベンダンの投薬により、左心房圧が減少し
なんなら左心房、左心室の拡張も改善しました。
その結果、心臓の拡大により起こっていたと思われる咳症状も減少を認めたのだと考えています。
狂犬病シーズンもそろそろ終わりに差し掛かりますが
ワクチン接種などの診察時にも
心雑音がきっかけで、この僧帽弁閉鎖不全症が見つかるケースは少なくありません。
心雑音を指摘された時は、その後の心エコー検査に進むことをお勧めいたします。
犬さんも猫さんも
循環器疾患の病態把握に1番適しているのは心臓のエコー検査(超音波検査)になります。
心雑音だけで・・・とか
レントゲン検査だけで・・・とか
NTproBNPが高いだけで・・・とかは基本的に投薬するか否かの基準にはならないことが多いので
その点はご注意ください。
それでは。
上記のワンちゃんの飼い主さん、先生を受診されてホントに良かったです!!
私の知り合いも、が僧帽弁閉鎖不全と診断され投薬開始を告げられ落ち込んでいました。
心エコーのことを大山先生が話されていたことを伝え、
一度でいいからと循環器の専門医の受診を勧めました。
結果、薬はまだ必要ない段階であるという診断でした。定期的に診せてねと。
先ずは一安心されました。
こんなこともあるのだと…
先生のブログで改めて思いました。