Subdiagnostic クッシング症候群
今日のブログは
自分自身の勉強というか、メモがわりにアウトプットの場として書かせていただきます。
昨日も触れましたALIVEプロジェクトというもので
色々な内分泌疾患の用語や定義や診断方法などが整理されて
世界的に情報がある程度統一されようとしています。
これですね↓

その中でのクッシング症候群について
以前は非定型クッシング症候群やオカルトクッシング症候群と呼ばれていた病態が
Subdiagnostic クッシング症候群という用語になったそうです。
このSubdiagnostic クッシング症候群はどういうものかと言いますと
臨床的にはクッシング症候群が疑われるにもかかわらず
ACTH刺激試験やデキサメタゾン抑制試験(血液および尿)の結果が正常になるものとされています。
具体的にはSubdiagnostic クッシング症候群は
ACTH依存性のものと、ACTH非依存性のものにわかれまして
ACTH依存性のものは
いわゆる下垂体性クッシング症候群に今後発展するであろう病態として考えられており
2−3ヶ月後に再度評価することが推奨されております。
で、重要なのがACTH非依存性のSubdiagnostic クッシング症候群でありまして
これは、副腎性のクッシング症候群っぽい見た目にもかかわらず
通常のクッシング症候群の検査では引っ掛けてこれないものを指します。
具体的には
多飲多尿や皮膚症状、腹部膨満などがあって
血液検査ではALPが高かったりするし
超音波検査をしてみると明らかな副腎腫瘍があるけれど
ACTH刺激試験は問題ないし
デキサメタゾン抑制試験では明らかに抑制はされないけど
ずっとコルチゾールが低いままみたいな結果になって
内因性ACTHを測定したら抑制されているような低い結果となる。
そんな結果を示すクッシング症候群になります。
なぜこういう結果になるかと言いますと
本来のクッシング症候群は
ステロイドホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されるわけなんですが
このコルチゾールが作られる経路って
最初コレステロールから始まって、色々な物質を経て最終的にコルチゾールになる
みたいな感じの道筋を辿るのですが
このSubdiagnostic クッシング症候群は
コルチゾールではなく
その経路の途中の何かしらのステロイドホルモンが過剰産生されてしまう病態なんですね。
なので、コルチゾールの検査でひっかけようにも難しいクッシング症候群となります。
そこで最近ですと
尿中ステロイドホルモン分析という検査が外注検査で調べられるみたいでして
これだとコルチゾール以外に
コルチコステロンやアルドステロン、プロジェステロン、デオキシコルチコステロンなどなど
他の10種類のステロイドホルモンも分析できるみたいで
過剰に分泌されているステロイドホルモンの鑑別に役立つそうです。
再度まとめると
明らかに副腎腫瘍性のクッシング症候群っぽい症状と超音波所見があるけど
ACTH刺激試験やデキサメタゾン抑制試験などのコルチゾールでの検査では引っかからない場合は
尿中ステロイドホルモン分析の検査を検討してみても良いかも、という感じです。
ALIVEの論文の中では
細かいホルモンの種類までの特定は必須ではないとのことなので
おそらく状況証拠が揃えば、治療を検討しても良いとは思うのですが
せっかくステロイドホルモンを分析する方法があるのであれば利用してみたいところかなと思います。
外科手術を選択しない場合は、結局トリロスタンが治療薬候補となるわけですが
トリロスタンによって本当に抑えられるステロイドホルモンなのかどうかを確認するためにも
過剰に産生されているステロイドホルモンの種類は知っておきたいところかと思います。
というわけで
今日はSubdiagnosticクッシング症候群のお話でした。
非定型クッシング症候群みたいな日本語名があれば良いんですけどね。
今後そこは誰かが名前をつけるのかな。
どうでしょう。
それでは、今日はこのへんで。