胃酸分泌抑制剤〜ファモチジンとかオメプラゾールとか
色々やっていたら
昨日は完全にブログを書くのを忘れておりました。すみません。
書こうと思って書いてなかったやつです。

胃粘膜保護的な感じで、胃酸分泌抑制剤の使用状況に関して
獣医さんにアンケートを取ったスペインの研究ですね。
AI的なまとめだとこんな感じ↓
論文情報
Evaluation of Veterinary Prescription of Gastroprotectants in Dogs in Spain(Vet. Sci. 2026;13:61)
2023年にスペインの小動物臨床獣医師へアンケート(n=265)を行い、胃粘膜保護薬(特に酸分泌抑制薬)の処方実態と、処方の根拠・領域・経験年数との関連を調べた横断研究です。vetsci-13-00061
1) 研究の結論(この論文が言っていること)
- スペインの獣医師では、胃粘膜保護薬、とくにPPI(プロトンポンプ阻害薬)が最もよく選ばれ、酸分泌抑制薬ではオメプラゾールが最多。vetsci-13-00061
- 一方で、エビデンスが強くない(または推奨が弱い)状況でも処方が行われている実態が示された。
- 経験年数が少ない獣医師、および内科・救急・麻酔の獣医師の方が、ガイドライン等の根拠に沿った処方傾向が強い。
2) 方法(どんな調査か)
- デザイン:記述的・横断研究(survey)
- 募集:SNS/メッセージ経由のスノーボールサンプリング(非確率抽出)
- 期間:2023/1/31〜3/21
- 質問:15問(背景、処方頻度、薬剤選好、根拠、併用、適応シナリオ、安全性認識、副作用経験、教育ニーズ等)
3) 主結果:処方頻度・薬剤の選ばれ方
3-1. どのくらいの頻度で処方している?
- <10%:35.5%(94名)
- 10–30%:37.4%(99名)
- 30–50%:21.5%(57名)
- 50%:5.7%(15名)
→ 「半数以上の症例で出す」人は少数だが、10–30%で出す層が最も多い。
3-2. 何が“第一選択カテゴリ”になっている?
- PPI:50.6%
- 制酸剤:28.3%
- H2RA:18.5%
- スクラルファート:2.6%
- ミソプロストール:0%
3-3. 具体的な酸分泌抑制薬
- オメプラゾール 69.4%
- ファモチジン 29.8%
- その他(エソメプラゾール/パントプラゾール)各0.4%
3-4. 併用(同一犬に複数の胃薬)
30.9%(82名)が併用。主な組み合わせは
- オメプラゾール+制酸剤(39.0%)
- オメプラゾール+スクラルファート(35.4%)
- ファモチジン+制酸剤(26.8%)
- ファモチジン+スクラルファート(8.5%)
- ファモチジン+オメプラゾール(4.9%) など
4) 「どんな時に出しているか」=過剰/不適切の温床になりやすい領域
回答者が「こういう時に胃粘膜保護薬を処方する」とした割合(複数選択):
- GUE(胃十二指腸潰瘍/びらん)の治療:92.8%
- 逆流性食道炎の治療:83.8%
- 非びらん性胃炎:49.8%
- NSAIDs併用予防:44.2%
- CKDの犬:43.4%
- Helicobacter spp.感染:38.9%
- 膵炎(GUEなし):31.3%
- 血小板減少による消化管出血:29.8%
- ステロイド併用予防:28.7%
- ICU:20.4%
- 麻酔関連逆流予防:11.3%
- ストレス犬の経験的投与:4.9%
- 肝疾患(出血リスクなし):4.5%
著者はイントロの時点で、**NSAIDs/ステロイド予防、CKD、膵炎(GUEなし)、H. pylori(GUEなし)**などは「ルーチン使用を支持する根拠が弱い」と整理しています。
→ つまり、この論文が問題視しているのは主にこのゾーンです。
5) 「安全」と思われすぎ問題/副作用認識
- 安全(追加研究必要だが):69.1%
- 非常に安全:30.6%
- 危険:0.4%vetsci-13-00061
副作用を「経験した」と回答したのは **12.8%(34名)**で、
下痢、嘔吐、アレルギー、腸内細菌叢異常、リバウンド酸分泌、胃粘膜過形成などが挙がっています。vetsci-13-00061
6) 行動の差を生む要因(経験年数・診療領域)
経験年数
- 経験>10年の群で、**予防的適応(NSAIDs/ステロイド/CKD)**が増える傾向が示されています(Table 1)。
- 酸分泌抑制薬の選好も、経験>10年でファモチジン比率が上がる(Table 1)。
診療分野
- 麻酔・内科は「科学的根拠」を理由にPPI寄りになりやすい(Table 2)。vetsci-13-00061
- 一般診療は、**根拠より“副作用少ない・入手しやすい”**などの理由が相対的に多く、適応が広がりやすい(Table 2)。
僕が面白いなって思ったのは
臨床経験とか、専門分野とかによって
使用する薬剤だったり、エビデンスを重視する割合だったりが違う点。
ざっくり言っちゃうと
昔の先生とかはファモチジン推しな感じっていうのは
日本だけじゃなくて他の国でも変わらないって感じなんですかね。
胃酸を分泌する薬剤に関しては
昔は半分予防的にルーチンで処方されていたように思いますし
今でも年中ファモチジン飲んでますって子を見かけることもありますが
胃酸を抑えるということは、それなりの弊害もあったりしますので
適応症例を見極めるのが重要な点かと思います。
診察が始まってしまいそうなので
すみません。失礼します。